マッキンダー、地政学、ロシア、ウクライナ、そして日本の防衛費の呆れる話
なぜロシアは戦争をするのか?
以前、ロシアの地政学上の宿命を、(実にウクライナ侵攻前に!!)ノート記事にまとめていたことがある。
あれから実に8ヶ月経過し、地政学の大家「マッキンダー」の名の記事が、最近のyahooニュースで踊っていたので、まとめてみる。
筆者は篠田英朗さんである。
地政学から見た「緩衝地帯」ウクライナの終焉
「緩衝地帯」というのは、そこに暮らす人にとってはまことに冷酷な話なのであるが、大国同士の力が拮抗し、衝突しやすい地政学的場所のことである。
詳しくは上記記事を見ていただくこととして、この記事の核心の1つはここの部分である。
「ハートランド」に位置するロシアは、ほぼ運命的に拡張政策をとる。
この考えは、ロシアの隣国である日本は十分に理解しておく必要があると思う。
旧ソ連はロシア本体を守る鎧のような役割をしており、ソ連崩壊後は東欧やウクライナをはじめとする旧ソ連構成国が西側との「緩衝地帯」となった。もっとも、ロシアが地域覇権を求めず、西側とともに歩むならば、「緩衝地帯」は不要なはずである。けれども、ロシアは性質的に地域覇権を求める、というような話である。
ロシアの目はいつ極東に向くか分からない。この「地政学」は一人でも多くの日本人が理解しておいた方が良いと思う。
日本の防衛費増額の欺瞞(ウソ)に暗い時代の再来を予感する・・・
そんな世界情勢のなか、日本の防衛費をNATO諸国と同じ2%に増額するという議論がにわかにさかんになっている。
これは、望むべきことだ。既に中国の国防予算は日本の5倍を超えている。1%枠を2%にしたところで、足りないぐらいだ・・・というよりも、自衛官の待遇も悪いし、戦いになると数日で弾薬を使い切ってしまうという自衛隊の金欠ぶりは深刻なのだ。
防衛装備の研究開発から、新たな産業が生まれることだってありえる。「軍事研究はしません」という縛りプレイを自らに課してきた日本にとって、その制約から解き放たれることで生まれうるイノベーション効果は計り知れない。防衛費増額は、日本の再成長に必要なパーツの一つである。
5か年計画で、日本の防衛費を5兆円台から倍の10兆円台にしてゆく、そういう計画だったはずだ。
そこで、こんな報道が出た。
ひとことで言うと、「防衛費の計算方法を変えます!」という宣言だ。
「今まで入ってなかった海上保安庁や防衛研究の予算も防衛費に入れたら、6兆円超えたよ!防衛費増えたね、σ)>ω<*)テヘ.」
いやいやいや・・・計算方法変えただけなんですけど・・・疲れてるのか?
「NATO基準」とか体(てい)の良いことを言いながら、実際は何一つ増えてないんですけど・・・?
マジか!?
これは本当に酷い欺瞞だ。安倍氏が生きていたら、これは認めないだろう。だが、安倍氏亡きあと、この政府と財務省の謀略を食い止めることができる人材はいるのだろうか?
死後、更に批判されることが増えた安倍さんであるが、こういう目に見えにくいところで影響力を持っていたことは間違いない。功罪考えず、安倍さんを叩きすぎることは、まわりまわって日本国民にツケが回ってくるだけなのではないのか??財務省のやりたい放題ではないか・・・まあ、そんな安倍さんも消費増税には抵抗できなかったわけだが。。
なにか、再び日本の暗い時代を予感させる、いやな雰囲気の初秋である。
(画像は写真ACから引用しています)