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外出を控え、人と会わないようにするということは、人類のウイルスに対する反撃そのものである
いよいよというか、ようやく「緊急事態宣言」が発令されるようだ。
1月下旬に中国からの入国を禁じなかったことに端を発し、全ての動きが遅い政府であるが、まあ遅いながらにも行動はしている。
しかし、「不要な外出は自粛しましょう」というだけでは、ほとんどの人はその行動の意味がピンと来てないように思う。
そこで、ウイルスの気持ちになって考えてみる、というパラダイムシフトがもしかしたら役に立つかもしれない。
ウイルスの目的
ウイルスは厳密には生物ではないが、遺伝子は存在する。従って、本能的に「増える」ことが目的である。
「増える」ためのプロセスが、人の体内に感染するということである。
そんなウイルスにとっても敵は存在する。それが、人間の免疫細胞だ。
発熱・炎症はウイルスVS免疫細胞の壮絶な戦いの証である。過剰な免疫反応によっても人間は死んでしまうが、ウイルスにしてみたら体内で増えるだけ増えたとしても、宿主が死んでしまったら自らも死滅する。そうなる前に脱出するべく、他の人間に感染する必要がある。
この「他の人間に感染する」というプロセスをシャットアウトすることは、実はウイルスにとって逃げ道を断たれるということでもある。
逃げ道を断たれてしまうと、「増える」ために使った宿主の免疫細胞の反撃にあって滅ぼされてしまうか、あるいは宿主を滅ぼすことによって自ら死滅するしか道はない。(免疫細胞の攻撃をかいくぐり”潜伏する”場合はその限りではないが、ここではあえて単純化する)
従って、人と人が会うということは、ウイルスに逃げ延びるチャンスを与えているということに他ならない。
外出を控え人と会わないようにするということは、すなわちウイルスの逃げ道を断っていることになる
ウイルスの気持ちになってみれば、せっかく増殖しても、新たな乗り移り先がなければ困ってしまう。
従って、一見地味に見える外出を控え、人と会わないようにするということは、実はウイルスに対する人類の反撃そのものである。
こういうふうにアナウンスすれば、もう少し「外出自粛」にも能動性が出るのではないだろうか。
人にうつさないように、不要不急の外出を控えましょうでは、もうひとつ行動に主体性を持たせられない。外出自粛には、実は能動的な意義がある。
これは極論になるが、世界中の人が2週間~4週間、いっさい直接的な接触を断てば、ウイルスは消滅していかざるを得ない。これが、対ウイルス戦の勝利だろう。
人は社会的な生き物である。いっさい他人と接触しないというのは、社会的には死んでいるも同然かも知れない。しかし、せいぜい1か月の我慢だ。そしてなにより、ペストやスペイン風邪が流行したときとは異なり、21世紀の人間はインターネットで繋がれる。
このように考えてみれば、ネットというのは実は防疫のための最強のツールの一つかも知れないなどと妄想しつつ、コロナウイルス流行の早期の収束を願っている。