チャンスは今!日本がアジアのリーダーになれるかどうかは岸田/林にかかっている
自由主義社会の主要国G7は、現在、日本を除いてウクライナ情勢で手一杯である。
G7諸国にとって、「ぶっちゃけそこまで手が回らないので、アジアのことは日本が取りまとめてくれや」というのが本音であろう。
G7唯一のアジアの国である日本が果たせるべき役割は大きい。日本がアジアの真のリーダーになるか否か、それは「今でしょ」。
岸田首相・林外務大臣のGW中の動き
事(こと)の重大性を認識してか、せずしてか、岸田首相、林外務大臣は渋い外交を続けている。
岸田首相の動きについては、一つまえの記事でまとめたので、本日は林外務大臣のほうを考察してみたいと思う。
林外務大臣はモンゴル・カザフスタン等を訪問している。一体なぜ、モンゴル・カザフスタンなのだろうか。
モンゴルは伝統的に(あるいは地政学的に)ロシアの友好国であり、対露非難の世界世論には加わっていない。一方で、モンゴルは親日国でもあり、相撲を通した交流も盛んである。
ここに、アメリカやヨーロッパの国が突っ込んでいくのは難しいだろう。ロシアと日本の双方と良好な関係を持つモンゴルには、G7諸国では日本しか食い込めないのである。
親ロシアのモンゴルをいきなり対露陣営に持っていくことは不可能だろうが、「日本はいつでも欧米諸国との窓口になりますよ」という選択肢を提示しておくことは重要である。外交とは、こういう一つ一つの積み上げであろう。
そしてカザフスタン・・・こちらは、ロシアの友好国というよりは「完全にロシアのシマ(旧ソ連構成国)」であり、モンゴル以上に対露連携は難しい。実際、この件では全くかみ合っていない。
ただ、今年は日本-カザフスタン国交樹立30年の節目であり、カザフスタン首都のデザインに黒川紀章氏が携わるなど、意外と日本とカザフスタンの関係は深い。
カザフスタンこそ、モンゴル以上に他のG7諸国は訪れることが難しいため、日本しか果たせない役割といえる。しかも、総理大臣が訪れると不要にロシアを刺激する可能性もあるため、外務大臣が行ったという点もポイントである。
このように、ロシアと伝統的に友好関係にあり、対露包囲網に参加していない国に対して、日本が働きかけるのはG7に期待されている役割といえる。そしてそれは、期せずして日本がアジアのリーダーに回帰する道にもなっている。
林外務大臣自身のアイデアとは思えないが、優れた外交の振付師がいるようでとりあえず良かったと思う(誰だろう?)。
戦後、敗戦国であった日本がアジアでリーダー面をすることをアメリカは快しとしなかった。21世紀に入ってからは、中国がアジアの新リーダーとして台頭してきた。そしていま、欧米諸国は日本のアジアでのリーダーシップを期待している。
その流れを思えば、隔世の感である。
岸田さん、林さんはイマイチ、アメリカ・バイデン政権に信用されていないという説がある点は不安材料であるが、それでも日本はこの道を進むしかない。
真の戦後レジームからの脱却へ、一歩ずつ!
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(画像は写真ACから引用しています)