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株式急落後の素人投資家の長期戦略:コロナ関連銘柄を参考に

以前、コロナ・ショックに伴う株価の急落、およびその後の反発のメカニズムについて、動きの異なる3つの銘柄について分析を行った。

取り上げたのはユニ・チャーム、ANA、壱番屋であった。

ユニ・チャームは、マスク等を生産しているコロナ時代の本命銘柄である。ANAは言わずと知れた大手航空会社だが、コロナ時代には苦境が予想される銘柄だ。そして、壱番屋は海外展開も好調な勝ち組外食産業であるものの、コロナでやや業績低迷が懸念されるため、ユニ・チャームとANAの中間的な存在の銘柄といえる。

以前の記事では、これらの銘柄をサンプルにして、素人投資家が急落及びその後の反発局面でどのように戦うべきか、ということを分析した。

その後、これらの銘柄はどのような運命を辿ったのであろうか?それを改めて分析してみて、素人投資家の戦い方を再考してみる。


コロナ・ショック後半年間の銘柄の動き

株式長期1

ユニ・チャーム、ANA、壱番屋の2020年10月19日までの株価の動きを並べて表示したものが上の図である。

おおむねの予想通り、勝ち組銘柄のユニ・チャームは長期上昇トレンド、負け組銘柄のANAは長期下落トレンド、中間の壱番屋は横ばいの状態が続いている。

そして、これをまじまじと眺めていると、極めて興味深いことに気づく。ユニ・チャームと、ANA&壱番屋は逆方向の動きをしている!!

株式長期2

コロナショック後の株価の動きを、4つの時期に区切ってみてみる。

フェイズ①:壱番屋の反発

株式長期3

図のフェイズ①では、ユニ・チャームが横ばいであるにも関わらず、明らかに壱番屋が強く反発している。

これは、ユニ・チャームの反発が最も強く、早い段階で年初来高値を達成してしまったために、割高感から横ばいの状態が続いているのに対して、やや出遅れた壱番屋が年初来高値を目指す動きに他ならない。

ユニ・チャームの反発に乗り遅れた素人投資家は、このような銘柄を探すことにまず第一のチャンスがあるかも知れない。

ちなみに、ANAも地味に上昇している。

フェイズ②:ユニ・チャーム更に高値へ

株式長期4

フェイズ②では、一転してユニ・チャームが更なる高値を目指して上昇している。コロナ時代の大本命銘柄としての本格始動と言えるだろう。

一方で、壱番屋とANAは下落している。

フェイズ①で壱番屋に乗り、フェイズ②でユニ・チャームに乗るという、波乗りができれば素人でも十分戦えそうだ。

フェイズ③:大本命ユニ・チャームは調整へ

株式長期5

つづいてフェイズ③では、高値更新したユニ・チャームが調整局面に入り、壱番屋、ANAが地味に上昇している。ここは素人は狙いにくいが、壱番屋に勝機が少しあるかも知れない。

フェイズ④:再び反転・ユニ・チャーム高値更新へ

株式長期6

そしてフェイズ④、ユニ・チャームは上昇、壱番屋・ANAは下降というまた逆方向の動きを見せている。やはり、コロナ時代に業績上乗せが難しい企業の株価は高値を取りに行けないという傾向が如実に表れている。

まとめ

フェイズ①~④まで大本命ユニ・チャームと、ANA・壱番屋の株価は逆方向に動いているということを理解いただけただろうか。非常に興味深い現象である。

それぞれ1か月程度の猶予があるので、素人でも十分に分析しながら戦う時間があるのではないだろうか。次回株価急落時には、戦略構築の材料にしていただければ幸いである。

(無料記事なので相関係数等は算出せず、簡易の分析に留めています)


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