こんなガッツあふれるじいさんになりたい：トランプ元大統領
トランプ元大統領は、本当にすごいじいさんだと思う。
以前の記事で取り上げたように、私は別にトランプ氏支持というわけではない。
けれども、純粋に思う。老害ではない、こんなガッツあふれるじいさんに、なりたいものだ。
トランプ元大統領襲撃事件
2024年7月14日、ペンシルバニア州での演説途中に、トランプ氏が銃撃されるという事件があった。
盟友、安倍晋三氏の襲撃事件からくしくもほぼ二年後の出来事である。安倍氏は亡くなったが、トランプ氏は生き延びた。これは、SPの質の差もあるだろうけど、なにか決定的な運気の違いというようなものも感じる。
そして、こんな奇跡的な写真も良く取れたものだ・・・
その強運もだし、この銃撃直後のパフォーマンスもだが、何より襲撃直後のはじめのメッセージに唸ってしまった。。。
トランプ前大統領はその後、自らのソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャルに投稿。「銃弾が右耳の上部を貫通した」、「何かがおかしいとすぐにわかった。シュッという音と銃声が聞こえ、すぐに銃弾に皮膚が裂かれたのを感じた」と説明し、「たくさんの出血があったので、何が起こっているのかその時に気づいた」とした。
前大統領はまた、シークレット・サービスや警察の素早い対応に感謝を表明。さらに、「最も大事なことだが、殺害された集会参加者の家族に追悼の意を伝え、重傷を負ったもう一人の家族にもお見舞いの気持ちを伝えたい」とした。
そして、「私たちの国でこうした行為があるなど、とんでもないことだ。死亡した銃撃犯については現時点では何もわかっていない」と付け加え、「アメリカに神のご加護を！」の言葉で締めくくった。
発言内容を要約すると、
１．シークレット・サービスや警察の対応に感謝
２．殺害された集会参加者への哀悼とお見舞い
３．アメリカに神のご加護を！
襲撃直後にコレ、凄くないですか？
「ヤバかった～！」とか、「死ぬかと思った」とか、我が身を案ずる発言内容ではないし、「絶対に許さねえ！」とか、「ディープステートの差し金だ！」といった誰かを攻撃する内容でもない。
襲撃直後にこのコメントができるのは、本物だと思った。
パフォーマンスだと言う人もいるだろう。だが、たとえパフォーマンスだとしても、これはなかなかできんだろう・・・バイデン氏はもちろん、他の先進国首脳も、そしてロシアや中国のリーダーも。
よくも悪くもすごい人物だとは思っていたけど、こりゃ本物だ。。。
ただ、こういう泥仕合はやめた方がいいのでは・・・
現時点では、これで大統領再選は決定づけられたような流れになっている。ただ、これをネタに敵陣営を攻撃するような言動が増えれば、再び眉をひそめる人も増えるかもしれない。
トランプ陣営としては、この件に関して戦況運動の宣伝に使わない方が賢明だと思う。沈黙は金だ。
すでに一部で、バイデン氏を間接的に攻撃するような者も出てきているのは、賢明ではないように思う。
これは、トランプ陣営VS反トランプ陣営の問題ではなく、言論の力(民主主義)VS暴力(暴力による変革)の問題なのだから。
一方で、トランプ氏にかなり近い人々や支持者の一部からはすでに、今回の襲撃について、バイデン氏に責任があるとする声が出ている。共和党議員の一人はXへの投稿で、バイデン氏が「暗殺をあおった」と非難した。 トランプ前大統領の副大統領候補の1人とされるJ・D・ヴァンス上院議員は、バイデン陣営の発信が今回の事件に直接つながったと述べた。 共和党の他の政治家らも同様の発言をしている。米政治が危険にある時期に人々を扇動するものだとして、民主党側が非難するのはほぼ確実だ。
米国の民主主義の新たな象徴になる可能性もあるが・・・
演説中に撃たれて負傷するも、起き上がって聴衆にガッツポーズ、聴衆はUSAの大歓声・・・
これは、ロシアや中国といった権威独裁主義国家では絶対に起こりえないことである。
この一連のシーケンス自体が、民主主義の弱さと強さの両方を象徴しているのだ。
不屈の米国精神を示す新たな象徴となるのか、あるいは大統領選の泥仕合に利用されて摩耗していくのか？現在分断されつつあるアメリカにとっても、分水嶺となる出来事となるだろう。
記事アップ後追記
ここまでの内容をアップ後、トランプ氏が次回演説の内容を、「民主党を攻撃するもの」から、「国民に団結を呼びかけるもの」に変更したと報道があった。
ああ・・・素晴らしいセンス。
トリッキーな言動ばかりが注目されるけれど、この人物の政治的センスには天才的なところがあるかも知れない。