”好き嫌い”で会社を選ぶ
引き続き、楠木建『「好き嫌い」と才能』を読んでいます。
著者と、ウォンテッドリーのCEOである仲暁子さんとの対談の中で、以下のようなお話が出てきました。
楠木 1つ目のジョブマッチングというのは、インターネットが登場してから、それこそ数えきれないくらい出てきています。ただし、業種、勤務地、年収、勤務時間、そしてスキルなどといった、客観的なスペックに重きを置いているサービスが多い。しかしウォンテッドリーは、マッチングの基準として「好き嫌い」を重視していますね。僕にしてみれば、そこが面白いと思いました。
仲 そうです。好き嫌いで会社を選べるということにしています。ビジョンとカルチャーとスキル、この3つの重なるところが大切だと考えています。
楠木 わが意を得たりと僕が思ったのは、ビジョンとカルチャーという、会社とか個人とかの価値観、好き嫌いが先で、スキルは後からついてくる、というところです。この順番が変わると、仕事で不幸になる、みたいなまずいことが起きる。 (p.237)
これを読んで、私もウォンテッドリーに登録してみました。
いくつか募集のページを見てみて気づいたのですが、給与情報が全然出てきません。
他の転職サイトだと、「給与〇〇万円!」「幹部候補!」みたいな文言がやたらと目について、どうしてもそれが気になってしまうのですが、それがない。
仕事内容や、働いている人たちの想いといったものに自然と目がいきます。
また、見た限り(たぶん)すべての募集ページがフォーマット化されていて、
・なにをやっているのか
・なぜやるのか
・どうやっているのか
・こんなことやります
という型で統一されています。
これをひととおり読むと、その企業のビジョン、カルチャーといったものが感覚的に感じ取れるようになっているのでしょう。
また、募集のページ以外にも、「ストーリー」という形で、その会社のワークスタイルや創業ストーリー、”ココロオドル瞬間”といったものを読むことができます。
客観的な条件、スペックといったものではなく、その企業のストーリーやカルチャーに触れることで得られる「好き」「嫌い」「合いそう」「合わなさそう」といった感覚で企業を選んでいくことができそうです。
いわゆる労働市場では、業種、勤務地、年収、勤務時間、資格、スキルといった、可視化しやすいものが重視されます。
しかし、就職・転職活動が終わって、企業に入った後に重要なのは、上に書いたような客観的なものではないのだと思います。
できるできない、諸々の条件といったものを超えて、
「その仕事を好きでやっているかどうか」。
これがなければ、楠木さんが言うように、仕事で不幸になる、といったまずいことが起きてしまいます。
”好き嫌い”で仕事や会社、働き方を選んでいけるウォンテッドリーのサービスは、極めて自然だと感じました。
ちなみに、ウォンテッドリーの役員・経営陣のWebページの顔写真ですが、カーソルを合わせるとみなさんのアイコンが笑顔に変わります(伝われ)。かわいい。うちの会社もこういう遊び心がほしいなぁ。