![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/30987176/rectangle_large_type_2_26949708606fd7874eebd162e6e5c2f9.jpg?width=1200)
バナー制作/1個50万円を実現する方法とは?
nanocolorの川端(@nanocolorkwbt)です。
世間では「バナー制作」は練習しやすいお手軽案件の様ですね。クラウドソーシングでの単価を見ても最も安い制作案件の1つではないでしょうか?
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17252613/picture_pc_b38f83c27689e84fbf9a080b53a617de.png?width=1200)
1個あたり5,000円。つまり100個作らないと50万円にはなりませんが、僕が目指したいのは1個納品して50万円を目指す方法です。果たしてそんな方法があるんでしょうか?
結論から言います
バナーで50万円以上の利益を生むことです。
当たり前過ぎますか?僕にとってはこれが一番大事です。
これは、デザイン力や技術力や知名度では大した価値を作れない無名の僕が、バナーを1つ制作するだけで50万円以上の価値を感じて頂ける為に考えた方法ですが、どんなビジネスにも応用できる普遍的な事だと感じています。
1 全体を俯瞰で見てみよう
全体を把握しましょう。全体とは何か?それはビジネスモデルのこと。そのバナーは一体何が目的でしょう。「魅力を伝える」といった曖昧な言葉に50万円は誰も出しません。
1 認知の拡大
クリック数/PV/滞在時間/拡散数などが指標
2 会員登録などリスト獲得
資料DL/問合数/申込数が指標
3 直接購入や申込
CV数/1売上高が指標
4 購入や申込、からのアップセル目的
CV数だけではなくCV後のアップセル数も指標
バナーをクリックした先のページには、広告主の意図があります。その意図の為に企業は広告に投資しています。認知であれば、その認知の先に企業の利益があります。まずは広告バナーを「デザイナーの練習案件」という意識を無くしビジネスとしての関わりを持ちましょう。
2 広告を理解してみよう
![スクリーンショット 2020-04-05 19.29.19](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22274869/picture_pc_f0594022880a50e1e3200a62a9676a9d.png?width=1200)
WEB広告には多くの種類があります。上記の広告がどこに表示されるかはぜひ知っておきましょう!そして忘れてはいけないのが料金体系と各広告の可能なセグメントです。
広告の種類
WEB広告のほとんどは、出そうと思えば誰でも出せてしまいます。だからどこに出すかに正解はありません。ただどこに出すかは目的と見せる内容によって相性があります。その為にも色んな場所で目にする広告に触れ、その先のページを見て感じたことをメモしてきましょう。習うより慣れろです。
広告の特徴
広告には誰に見せるか設定できるんです。つまりあなたと僕が見ている広告は全く違う場合もあるし、全く同じの場合もある。これがセグメントです。広告には事細かく設定できるものもあれば、かなり大雑把なものもあります。「最近、こういう広告よく見るな〜」と感じたらそれです。認知目的であればかなり広く設定し、CV目的なら絞る必要があります。ぜひ主要な広告で可能なセグメントは知っておきましょう。
広告の課金方法
こことても大切です。広告にはクリック(CPC)課金とインプレッション(CPM)課金の2種類があります(本当はその他にもあります)。これが非常に重要で1クリックの重みが変わってきますし、クリック率に応じて、収益化や効率化が大きく変わります。ここが相手企業へのビジネス的関与が生まれるポイントですので、ぜひ覚えておいてください。
時々「制作物の結果を教えてもらえない」という人がいますが、この理由は事前に聞いてないからです。ひどい時は「どうせ良いか悪いか判断できないでしょ?」って思われてますのでぜひ勉強してみましょう。
3 ターゲットを知る
ターゲットを知るって言葉はよく使われますが、多くの場合は売り手の勝手な都合のいい顧客像がほとんどです。
旅行会社のグアム旅行バナーを作るとします。
ターゲットは誰ですか?「グアムに興味のある人」という答えはあまりよろしくない。
![スクリーンショット 2020-04-06 13.09.00](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22324798/picture_pc_bc160b599141e6c32d844959037dd028.png?width=1200)
上記はかなり簡易版ですが「グアムに興味がある人」だけをターゲットにしているだけでは生まれない顧客像です。
そしてバナーをクリックした先のページとの関係性も加味した上でターゲティングをしなければいけません。
では先ほどの広告一覧の三角形と照らし合わせてみましょう!
![スクリーンショット 2020-04-06 13.07.59](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22324755/picture_pc_301feb248bbb876c2ab10139c418e3a7.png?width=1200)
それぞれのターゲットがどの位置にいるのかが分かりますよね。すると、どのような広告を使い、何を目的にするかもイメージがしやすくなってくるかと思います。
今まではサービスの「魅力を伝える」なんて曖昧な表現でバナー制作を突っ走っていましたが、相手によって魅力は異なります。この様に簡単な5W1Hのフレームワークを用いるだけでも全然違います。
4 ターゲットと目的を繋げるバナー
クリック先のページの目的が決まっていれば、ターゲットはさらに絞り込めてくるかと思います。
![スクリーンショット 2020-04-06 12.47.48](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22323976/picture_pc_65b1574abf0f470e64a4a1337f2bfedf.png?width=1200)
1 顧客層 / 高顕在層には
すでに行くことは確定している可能性があるので「グアムの素晴らしさ」を伝えるコンテンツより、次の連休にいけるための手段を求めています。
2 低顕在層 / 潜在層
旅行には行きたいが「いつ」「どこに」が未定です。国内旅行や海外の他の国への旅行と比較して「グアム」がどういいのか?という比較コンテンツや口コミなどを紹介するなどして、最終的に1の顕在層に引き上げ、CV用のサイトに遷移させる導線。
3 低関心層 / 未認知層
まずは旅行に行きたいと思ってもらう為にもグアムでの過ごし方などを、ターゲットに合わせて名所スポットや予算を紹介し、グアム旅行の認知と関心度の向上が目的。
ここで、ビジネスモデルが関与してきます。
来店を目的とした旅行代理店のサイトであれば、最終的なCVは来店プラス申し込みになり、担当者の営業力によって最終CVは変わってしまいます。
ホテルや航空チケットがその場で申し込めるサイトであれば、その場でマネタイズできますので、直接CVを狙う為にも高熱量のターゲットにしたほうが獲得単価は抑えられます。
![バナー1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22339835/picture_pc_02e800a24718b5769bdfb5d1b1e331d9.png?width=1200)
ターゲット1に向けたCV目的のバナー
価格や期間や航空会社の記載により具体的にターゲットの知りたい情報が先にあることを示唆した情報。
![バナー3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22341727/picture_pc_72dd9eb9d1e273db9474171cee5086dc.jpg?width=1200)
ターゲット2に向けた熱量引き上げ目的のバナー
国内旅行との比較、海外ビーチリゾートを比較し遷移先のページで「グアム旅行」の優位性を伝え、CV目的ページに遷移させる。
![バナー2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22341735/picture_pc_39183d741c172d170dc96baf2145b453.png?width=1200)
ターゲット3に対してグアム旅行の認知拡大目的のバナー
ターゲットの家族構成や旅行する相手に合わせて、グアムでの過ごし方やスポットの紹介、予算や口コミなどを紹介し「いつか行きたい旅行先の一つ=グアム」という構図を認知させる事が目的。
5 数字から逆算してみる
![スクリーンショット 2020-04-06 13.34.38](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22325972/picture_pc_2d88a7e2bdc94ed0e9d2eebaf967bb2d.png?width=1200)
例えばこんな広告のデータがあったとします。
・基礎化粧品を販売するランディングページへの遷移
・販売価格は2,000円
・インスタグラム広告で「美容」に関心ある女性
・計測期間 10日間
・45日間で70件獲得が目標
・CPAは8000円以下が目標
![スクリーンショット 2020-04-06 14.57.22](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22330549/picture_pc_d207ef0b357325f7d1a16d83bcb92bed.png?width=1200)
CTAクリック率は別ツールで計測しました。さて、このままでは45日間で70件という目標にはギリギリ到達できるかどうか、というところですが問題なのは「CPA」という数字です。これは1件の受注獲得までにかかった費用。このCPAを下げることは利益創出に直結します。
さて、ここでポイント
インプレッション課金であるインスタ広告であること。CTR(クリック率)が上がり且つLPでのCVRに変動がなかった場合、バナーの成果次第で目標件数およびCPAの軽減が可能になる。
つまり、LPやフォーム内の改善も必要そうですが、まず手っ取り早く改善PDCAを回せるのはバナーの改善です。
![スクリーンショット 2020-04-06 18.48.20](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22344535/picture_pc_d7380bdbe208ad673fca94c2b0e71291.png?width=1200)
上記の表は、バナーのクリック率が上がった際に獲得件数とCPAがいかに良くなるのかをシミュレーションしたものです。(実際にはここまでうまくいきませんが、、、)
現状のままだと目標70件を獲得するには広告予算は1,195,110円必要です。しかしバナーのクリック率を0.35%→0.5%に上げることで
・45日間の受注件数が90件→130件に上がる
・現状よりCPAが約5000円下がる
クリック率を0.5%に上げ45日間運用したら、現状よりも
・358,540円のコストダウン!
・130,000円の売上アップ!
・つまり合計50万円近くのインパクト
が可能になります。ここがタイトルにもあった50万円です!!50万円の効果が見込める道筋が見えたことになります。
ここからがスタートです。
本当に0.5%のクリック率に上げられるかどうかは分かりません。当然まだまだやるべきことはあります。営業も必要です。説得も必要です。実績も必要です。しかし、作業料金として5,000円で作っていたバナーは、しっかり考えると50万円の価値を生むための重要なツールになる事をぜひ知ってほしいです。
まとめ
バナーの目的を多くの方が「魅力を伝える」と言います。当たり前のことですが、受け取る人によって魅力は違います。そんな当たり前の事に気づかないから、制作の時に「受け取る相手」、つまりエンドユーザーの話をしません。自分が作るデザインの事で頭がいっぱいです。
マーケティングとは、そんな当たり前の事をちゃんと考える思考方法だと僕は考えています。「顔はカッコいいけど、ずっと働いてない人」って魅力的ですか?安心して結婚できますか?ずっと一緒に居れますか?
僕はそもそもデザインが苦手です。人並み程度に作れるだけのレベルです。しかし、社会的に「もっと役に立てるにはどうしたらいいのか?」を突き詰めた結果が「バナー制作で50万円の価値を作る方法」への発展しました。
僕にはデザインで世の中を変えることはできません。しかし、誰もが見落としているような事を当たり前にやることはできます。世のデザイナーの方が避け続けるマーケティングという領域を僕は主戦場にし、制作会社という立場でお客様に貢献しようと思います。
よければこちらの記事もどうぞ!