氏、『森見登美彦』を語る
僕が初めて森見登美彦を読んだのは中学2年の時だった。確か『夜は短し歩けよ乙女』が映画化された頃で、教室の学級文庫にあった原作を何も知らずに手に取った。どんなものか1、2ページ覗いていると、先生に「あんたが読むもんちゃうで」と水を刺された。おおいに腹を立てたことを覚えている。当時は「そんなこと言わんでええやんけ」と思ったけど、今なら先生が言うこともわかる。その時僕が愛読していたのはあさのあつこの『バッテリー』とかで、僕は結構ちゃんとした中学生だった。森見登美彦は多分、ちゃんと