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費用処理した資源を資産として捉えるだけでは、真の価値を生み出すことは難しいでしょう

知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及びガバナンスに関するガイドライン改訂に関する意見

鈴木健治
経営コンサルタント・弁理士
株式会社知的利益 代表取締役

意見:

内閣府知的財産戦略推進事務局及び経済産業省産業資金課 御中

意見を提出する機会を賜り、ありがとうございます。

1. 未完成・未成熟であることの明記

意見1
本ガイドラインは、知財・無形資産の投資・活用戦略の本来的な姿の事例を集められていないことを明記すべきである。開示されている事例について、発展途上の事例であるため、そのまま参考にするのではなく、個別の創意工夫を強くうながすことを、本文書の読み手に伝えるべきである。

理由
知的財産権で模倣から保護された製品やサービスが、その市場において価格プレミアムを得ることができるならば、その価格プレミアムの割引現在価値に見合う経済的価値(資産性)を知的財産権等に見込むことができる。
価格プレミアム(経済的に評価される価値創造)ができて始めて、投資や活用戦略、その開示についてガイドラインを定めていくことができる。
しかし、多くの日本企業のROEやROICが低く、PBRが1未満で、先進国中唯一経済成長できていない現状では、価格プレミアムを得るような価値創造ができているとはいえず、無形資産・知財活用について日本企業から好事例を集めることは不可能である。
目標とすべき好事例がないまま、ガイドラインを作ろうとしても、冗長で長文となり、事例が論理的でないから検討することが爆発的に増え、作成に当初予定よりも多くの期間を要することになるだろう。
「ガイドライン作成する際の検討事項が多く、当初予定よりも多くの期間を要していることから、30日の期間は取ることが難しい。」という事実は、このガイドラインが作成できる時期が到来しておらず、未完成であることの証拠である。
未完成であることを読み手に伝えなければ、成果をあげていない事例をそのまま疑わずに学ぶこととなり、低成長を連鎖させてしまう。

2.ありたい未来の構想では、数字を忘れる

意見2 p.26の図は、経営デザインシートの簡易版に依拠しているが、開示のための表現と、ありたい未来を構想するためのフレームワークは別であり、ありたい未来を構想する際には、経営指標との紐付けを意識すべきではないことについて、注意喚起すべきである。

この点、ChatGPT4の力を借りて、「若くてやんちゃなCEO風の文章」にしてもらった。本意見提出者自身の表現よりも判りやすいため、ChatGPT4の出力を引用する。


経営をデザインするって発想、めちゃくちゃカッコいいよね!みんなが個性を出して、未来を自由に思い描き、顧客や社会、自然環境にどんな体験や成果をもたらすかを考えていくんだ。
だけど、このガイドラインってさ、未来像をすぐROIC逆ツリーに繋げちゃってるんだよね。数字から自由な発想を引き出すことこそが、企業の個性を発揮するデザイン思考を生むんじゃないかって、そんな洞察が欠けてる気がするんだよね。
コストや売上、市場規模とか考えると、つい現状の延長線上の未来ばかり考えちゃうんだよね。ブレーンストーミングでは自由奔放が大事だし、尊敬する経営者も「イマジネーションのプロセスに、CFOや経理財務は関与しちゃダメだ」と言ってるしね。
だからさ、どうしてこんな小さな発想しか出てこない方法論を推奨してるのかって疑問なんだよね。根拠は何なんだろう?最後に投資家に説明するときには、ストーリーやKPIを通じて将来の財務目標について話すんだけど、このガイドラインではツールや発想と場面がうまく切り分けられてなくて、ちょっと不適切だと思うんだよね。

鈴木健治が著述した文章をChatGPT4がアレンジ

文中「尊敬する経営者」は昆政彦氏で『CFO最先端を行く経営管理』(中央経済社)p.35に記載がある。

中期経営計画の発表を控える先進企業も出現しており、短中期の経営指標の目標値を公表すること自体、時代遅れとなっていく可能性もあり、より自由度の高いガイドラインとしなければ、本ガイドラインも認知度が高まる前に時代遅れとなる可能性があろう。
この意見書を提出しようと最初に考えたときには、私がChatGPT4に書き直させた文章を使うことになるとは想定もしていなかった。30日前では無く7日前だ。世界や市場は凄まじいスピードで変化しており、因果パスとやらを想定して開示し、未来を固定していては、顧客に価値を提供できなくなるだろう。企業の個性と、自由演技での開示が重要である。

3. ROIC逆ツリーではなく、単に無形資産や知的財産(権)と、利益率の関係を分析する


意見3 p.33 ROIC逆ツリーは無形資産・知的財産の活用について有用な視点をもたらさない。単に知的財産権や無形資産と利益率の関係を洞察すべきである。

関係指標の上下動が、経営戦略・施策等にどう関係するのか、計算した事例も、因果パスもない。根拠のない仮説と理解するしかない。資本効率指標の分解要素は、よく知られているように、利益率x資産回転率である。しかし、資産(資本)回転率に影響する関連指標や知財・無形資産投資(例)は1つもない。あるのなら示して欲しい。

この点、ChatGPT4の力を借りて、「監査法人に勤める公認会計士が、監査先の経理担当者に非論理的な文章を直させるために激しく詰め寄る文章」にしてもらった。激しすぎたため、若干修正した文章を引用する。


ROIC逆ツリーがあるにも関わらず、資本/資産回転率に影響を与える要素があなたの資料に一切記載されていないのはどういうことですか?本当に真面目に検討しているのですか?
仮に、休眠知財をカーブアウトして、その知財が「知的財産権」であり、自己創設でなく、M&Aで取得した際に、個別の権利として正常な会計処理で資産計上し、それが資産規模の例えば10%を超えるから、資産回転率に影響する可能性があるということですか?
よいですか?知的財産権の利活用や処分は、資本/資産回転率に直接影響を与えません。では、ROIC逆ツリーに何が残りますか?利益率だけですよね。
なぜ無理にROIC逆ツリーを持ち出し、誤解を招くようなことをするのですか?単純に、知的財産権がどのように利益に貢献するのかを真摯に検討すれば良いはずです。確かに、日本企業の事例で知的財産権が利益率にどのように貢献するのかを示すのは難しいかもしれません。しかし、だからと言ってROIC逆ツリーに人々の目を向けさせることで、さらに混乱を招くのは問題です。この点、理解していただけますか?

鈴木健治が著述した文章をChatGPT4がアレンジ

これらは、Ver.1から残存している本文書のカルチャーによるもので、価格決定力について「安易な値下げを回避し」という知的財産の権利化を中心に扱う部門(知財部)の視点で、経営者や営業担当が安易に値下げをしていることが問題だという、責任転換をしていることが、根源的な原因である。

4. 安易な批判の回避

意見4  p.2他「安易な値下げを回避し」という文章を削除し、「価格プレミアムをもたらす価値創造を持続させるためにどのように知的財産権を取得し、活用し、知財部門から社内に情報を提供するか、創意工夫をすることで、安易な批判を回避し」といった趣旨の文章に修正すべきである。

この点、ChatGPT4に「京都人の嫌みのようにグサグサと刺さる文章」に修正してもらったが刺さりすぎるため割愛する。

5. 「費用」でなく「資産」形成として捉える


これも、Ver.1からの継続であるが、誤解を招く表現である。

意見5 会計上明確に定義されている「資産」という用語について、その意味を変えるようなガイドラインの策定や公開は避けるべきであり、例えば、「費用ではあるが知的資産(インタンジブルズ)の形成として捉える」等へと修正すべきである。

この点、ChatGPT4の力を借りて、「ですます調なのにツッコミが厳しい生徒会長の経験がある女性の文章」に直してもらった。一部削除しつつ下記に引用する。


晴れなのか曇なのか雨なのか、雨の量や雲の多さで決まります。それを、あるガイドラインが、「雨なのに、晴れとして捉える」、ということをおっしゃっているのです。「研究開発費や人件費などの費用を、資産として捉える」という部分です。晴れとして捉えたら、濡れないのでしょうか。濡れるでしょう。晴れと曇と雨は理由や根拠があって区分されているのに、雨を晴れと言い張って、何か変わるのでしょうか。
費用ではなく資産として捉える問題点は多数ありますが、経済的価値がないものを、資産として捉えようとした瞬間に根拠なく経済的価値があるかのように見てしまう点です。もう一つは、資産として捉えた瞬間に、本来的に資産であれば必要な、売上や利益への貢献の分析を、しなくなってしまう点です。
価値を提供するために役立つ資源は色々ありますし、それらの資源間の結合性や、結合した資産が全体として生み出す、ある時期の売上や利益への貢献を分析し、ストーリーとして説明していくことが重要です。「資産として捉える」ような短絡的な発想は、深い洞察をしようとするインセンティブを削いでしまいます。
資産として捉えるのではなく、資産として見てもらうために、将来の売上や利益、社会価値の提供や自然環境への良い影響をどのようにもたらすのかを、確かな説明しようとする地道な仕事が重要です。雨は雨であり、風邪を引かないようにするためには、雨を曇として捉えるのではなく、雨を直視し、科学的に対応していくことです。暖かい服を着て、傘を差すべきです。このガイドラインを読む企業が、費用処理した資源について資産だから収益を生んでくれるだろうと街を歩いていたら、確実に風邪を引くでしょう。
ですので、ガイドラインに従う際には、根拠や理由をしっかり考慮し、適切な判断を下すことが大切です。費用処理した資源を資産として捉えるだけでは、真の価値を生み出すことは難しいでしょう。企業が将来の売上や利益、社会価値の提供や自然環境への良い影響をどのようにもたらすかを、きちんと説明し、実現に努めることが求められます。
企業が真に価値を創造し、成長していくためには、現実を直視し、地道な努力と戦略が欠かせません。そして、ガイドラインに盲目的に従うのではなく、柔軟な発想と適切な判断力を持って取り組むことが大切です。

鈴木健治が著述した文章をChatGPT4がアレンジ

本意見で、ChatGPT4の生成文を使用したのは、ふざけているのではなく、Ver.1の際に提出した意見が、採用されないのであればまだしも、理解されていないと感じたためである。伝わる文章にするための工夫を行った。ご理解頂ければ幸いである。

また、最後の女性のキャラによる「費用処理した資源を資産として捉えるだけでは、真の価値を生み出すことは難しいでしょう。」という文章に、私は感動した。真の価値を目指す取り組みを継続していきたい。


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