ブックメーター(Pさん)
(十二月頃に書いた)
先月、今月と、ブックメーターの上では何も読んでいないことになっている。
ブックメーターとは、スマホのアプリで、読んだ本を登録出来て他の人に閲覧できたり、感想を書いたりそれにレスポンスが来たりする。
それで自分はそのアプリを使って読んだ本の感想を述べたりどれくらい読んだかのバロメーターにしたりしていたのだが、自分の主義として全編読み通したものしか登録しないことにしていた。
それで、今月、同人誌を三冊読んだりしていたけれども、同人誌は基本的には載っていない。ISBNが登録されていたり、電子書籍になったりしていなければ、書名が表示されないようになっている。
読みかけの本はたくさんあり、それもブックメーターに登録しているけれども、半分や終わりの方まで読んでいてもページ数に反映されない。
先月と今月で、読んだ冊数はゼロ、読んだページ数もゼロというわけだ。
しかし、読んだ本の数なんか数えちゃいけないという人も、尊敬する作家の中にけっこういる。そのことと、未だに結果らしいものが出せずに焦っている気分との間で、揺れているような感じである。
今月は、少なくともこれとこれを読んで、ある程度影響されたから、少しは成長しているかもしれないと思いたいかのようだ。
数日前から、ミハイル・バフチンという人の「小説の言葉」という長編評論みたいなものを読んでいる。
題名の通り、小説に使われている言葉を、言語学とか、詩学というものから離れたところで、小説独特の価値というのを見いだそうという趣旨らしい。
なんとなく、小説にばっかり惹かれて読んでいる身としては、肯定的な響きをもっている。
小説は芸術としては他のジャンルから下に見られていたと、よく言われる。小説しか持ちえない価値とは何だ。そんな始まり方である。
具体的にどんな小説を肯定し、どういった運びになるのかがこれからの見所のようだ。
前に古本屋で買ってその日に読んでやるという気合いのもと、十ページ読んで放られていた。こんなんだから良くない。