横尾忠則のエッセイを読む(Pさん)
寒さが、より厳しくなってきた。
磯崎憲一郎と保坂和志と、芸術全般を対象とした鼎談を行っている、横尾忠則という画家の、最新のエッセイ集『言葉を離れる』を、読み進めている。
冒頭の「宿命に気づく時」というのから惹かれている。幼少の頃から絵を描いていたけれども、絵の模写をひたすら描いていた。オリジナルにする努力というのを一切していなくて、ただ描いているのが楽しいから描いていた、といっている。後々の画風とくらべても、なんとなく納得できる話だった。あまり、オリジナリティが前面に出ている創作物というのも、逆に居心地が悪かったりする。
それと、創作ということが、単純に楽しい作業としてまず目の前にあるというヴィジョンが、何となくいい。本を読んで書くということも、そうありたい。