読書と分譲住宅(Pさん)

 昨日、集中して本を読んだけれども残るところが少なかった。やはり、一時間も集中して読んでいるとバテる。何か書きながら読んでいると集中して読める。読書には、しおりやらふせんやら、とにかく滑っていかないように錨のようなものが必要らしい。気がつくと、意味も分からず目だけが滑っている。
 家の向かいにアパートが建っていたけれども去年の文学フリマ東京が開催された前後に取り壊された。アパートが、前後に二棟建っていた。それが六軒の分譲住宅に変わった。思いの外家の建築というのはゆっくり進むんだと、毎朝目にする度に思った。今、ようやく玄関の石が敷き詰められたらところだ。他の所もそうだが、住宅系の営業マンというのは、かなり強引というか無理している感じがある。スーツを着て四十度を連日越えそうな炎天下に立たされている。もっとマシなやり方もありそうなものだが、道行く人を捕まえて勧誘する。自分が客だとして、何か目的を持って歩いている際に、急に捕まってマイホームの購入について考えるだろうか。それとも、自分が知らないだけで、あれは何か別の意味を持った行為なのか? もしかすると、次の文学フリマ東京が開催されるのと同時に、建て終わり、人が入ってくるのだろうか。本当に開催されるのか、わからない。六軒、完全に隣接している家がある近所付き合いというのも、大変そうだ。

いいなと思ったら応援しよう!