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「引き出しにしまった話」創作大賞感想 降り積もる思いよ、どんどん透き通ってしまえ

トップの画像は作者笑い猫さんのみんなのフォトギャラリーに登録されている絵です。漫画本文から切り出す訳にもいかず、沢山あるみんフォトの画像から黒茶金でも灰谷話でも無いっぽいのを選びました。黒茶金、灰谷話については笑い猫さんのマガジンからご確認ください。

ざっくり内容ご紹介(私の読み違いがあったら、ごめんなさい)しますねー。↑このnote本文にもあらすじあるんですけどね。



  今はもうお嫁さんも可愛い娘さんもいる井波さんには、高校時代の親友棗くんから近況を記した手紙や絵葉書が時々届く。棗くんは両親の離婚で生家を無くし、故郷に帰ることなく、卒業後井波さんに会うことなく、世界を旅する放浪画家となっている。返事を書いても放浪先には既に居ず、送り返される手紙に、今は返事は出さず、ただ受け取って引き出しにしまう手紙が重なっていく。
  ある日、棗くんは帰国しないまま帰らぬ人になってしまう。最後に会った高校の卒業式の日、井波さんは棗くんの告白に笑って誤魔化してしまった。高校時代の懐かしい日々に自分も惹かれる思いがあった事は伝えずに。返せない手紙。伝えていない思い。引き出しに積もる大切な手紙としまい込んだ思い。


故郷に帰りたかったらうちに来ればいいと言った井波さんに棗くんは、何故告白してしまったんだろう?知らんぷりして、入り浸る事だって(笑)出来るのに。もう少しして、もっと関係が絡まってから告白してもいいのに。それでも、ずっと井波さんに起点を置いて手紙を出し続ける。忘れないで。思い出して。今の僕はここだよ。……ずっと好きだよ。(手紙に書いてあるわけでは無く、そんな言外の思いがある気がする)

井波さんが告白の答えを出していたら、もっと違っていたかもしれない。いたかもしれないけど、実は棗くんには答えは必要では無かった気もする。どのみち、同じ事だったかも知れない。井波さんの中に灯っていた思いは当時自覚するまででは無く、自覚する事も無意識に恐れていたからこその「笑う」と言うことだった。その後の人生で結婚して子供をもうける、家族を作る、田舎のサラリーマンで普通の生活をすると言うことが、その選択から続いている。棗くんは井波さんにそっちを選んで欲しかったんじゃないかな。普通って難しい。普通ですら、沢山の選択の積み重ね。

2人の重ならない思いは引き出しの中で積み重なって、透明になっていく。残念ながらもう棗くんからの手紙は届かない。いや、一通、紛争地帯で遅れた郵便が届いてもいいなぁ。届かないかなぁ←フリ(笑)なんか、井波さんの気持ちを軽くする様な。いや、重くしてもいいな。

絵柄もコマ割りもスっとしてシュッとして。いつも言ってるんだけど、無駄にコマ枠から飛び出すコマ無いんですよ、スキ。あと、今回は思い出の中の棗くんにずっと紗がかかってるのもスキ。

BLタグ付いてますが、全く健全で、キスどころか手も繋ぎませんよ。絡んだBL苦手な方も是非。いや、でも棗くんの思いは絡みBLの100万倍強いのかも知れない。

うん、幽霊になって出てきてもいいよ←フリ




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玉兎
うん、あのね、大した事書いてないんだ。そしてこれからも書かないと思うよ。それでも良ければ止めはしない(笑)ありがとうございますです。