クズ人生番外編2〜男らしく、親らしく〜
本当は番外編を書くつもりは無かったのですがクズ人生8で書いた内容が気持ち悪すぎて吐き気を催し続きが書けないので別の事を書きます。
小4の秋だった。
私には関係ないことだったのだが、父親がPTAの学級委員に選ばれてしまった。
家庭内ではあまり良い父親とは言えなかったが外面だけは良かった為選ばれたのだろう。
ちょうど秋だったので、PTAのクラス対抗でキックベース大会があった。
私の父親はどちらかというとあまり体育会系ではなかった為周りの参加者の保護者から比べるとそれほどスポーツができる風ではなかった。
一応、参加する親の子供は強制的に応援と称して参加させられたのだが暗黒の学校生活を送っていた私はあまり乗り気ではなかった。
だが、父親はノリノリだった。
普段運動もしないくせに大会の数日前から走り込んで付け焼き刃の体力作りをしたりしていた。
そして当日がやってきた。
まぁそれなりに父親は意気込んでいたので仕方なく母と応援をしにいった。
まぁ腐っても自分の父親だ。
少しずつぐらいかっこいいところをみせて欲しいとも願いつつ最初の試合が始まった。
最初は守備だった為、父親はセカンドの守備位置についた。
だが、何かおかしい。
普通は野球などのセカンドの守備位置はファーストベースとセカンドベースの間を守るのが普通だ。
しかし、父親はセカンドベースから足を離さずにベースに直立不動だったのだ。
周りの保護者に促され守備位置を少しずらしたのだがおかしな点はこれだけではなかった。
バッターが蹴った球をアウトを取るのにファーストに投げずにホームに返したり、相手の蹴ったバッターがセカンドを回ると一瞬に喜びながらホームに帰ってくるなど摩訶不思議な行動を取っていた。
そう、父親はキックベースのルールを把握していなかったのだ。
事前にルールを知らない人の為にルールが印刷されたプリントまであったにも関わらずそれも読んでいなかった。
周りの保護者はその行動に対して冷ややかな目で見て、父親がルールを知らない事が分かると学生時代にソフトボールをやっていた母親に選手が交代となった。
私は恥ずかしさのあまり泣きたくなった。
母親はかなり活躍していたのでその甲斐もあってか私のいたクラスは準優勝だった。
大会が終わりその後の慰労会という名の処刑場は地獄だった。
周りの保護者はルールを知らなかった父親を笑い、もちろん他の親の応援にきていたクラスメイトからは私も嘲笑された。
自宅に帰っても地獄だった。
母親があんな恥ずかしい経験をしたのは初めてだとキレ始め、プライドだけ無駄に高かった父親も逆ギレし大喧嘩となった。
あまり夫婦関係が良くなかった両親はここからより一層仲が悪くなっていく。
ちなみに、父親が何故ルールも読まずにキックベース大会に参加したかというと「やれば分かると思っていたから」だった。
自分の親ながら情けない話だった。
今回はこれくらいにしておきます。
明るい話題が書きたい。
だが、無い。