クズ人生6〜女子と男子のララバイゲーム〜

そんな怠惰な生活を送っていたある日一人の女子が尋ねてきた。

「次の曲っていつできるの?」

そりゃぁそうだ。
意味の分からないハーレムだけに付き合わされ自分達になんのリターンもない、そんな状況に疑問が出ない訳がない。

「もう少しでできるよ、待ってて」

まずいと思って少しずつ作ってはいた詩を急ごしらえで完成させ、前回と同様に夏歩ちゃんと作れば大丈夫だと思って夏歩ちゃんに曲をまた一緒に作って欲しいと頼んだ。
そうすると予想外の返答が返ってきた。

「ちょっと……嫌だな」

幼い私はその理由が分からなかった。
何故かわからなかった私は夏歩ちゃんに理由を尋ねた。

「だってクズ雄くん、前の曲作ってた時はいつも一緒に遊んでくれたのに今は他の女の子といつも一緒にいるしたまにしか一緒に帰ってくれないしなんか嫌」

なんと夏歩ちゃんは私の行いを気持ち悪がるのではなく、他の女の子と一緒にいる事を妬いていた。
まだ私の事を好きでいてくれたのだ。
そんな夏歩ちゃんの気持ちを私は踏みにじっていたのである。

私は謝った。
だが、私は調子に乗っていた。
どう考えても夏歩ちゃんの気持ちを理解していなかった。

「ごめん。じゃあ、夏歩ちゃんと今日は帰るね。」

どこからの物言いだ。
馬鹿なのかこいつは。
唯一自分を好きでいてくれた女子にこの期に及んで上からの物言いだった。

夏歩ちゃんら少し涙ぐみながら怒った。

「じゃあって何?明日は?次はいつ一緒に遊んでくれるの?もうクズ雄くん嫌い!嫌!」

夏歩ちゃんは号泣した。
教室のど真ん中で。
周りのクラスメイトも何があったのかと集まってきた。
弁解のしようがなかった。
事情を先生に説明し、一連の遊びが流行っていた事も理解していた先生はなんとかその場を治めて夏歩ちゃんともその場は和解した。

たが、女子の噂ネットワークは凄まじいものだった。私が夏歩ちゃんを泣かした事はあっという間に拡がり今まで私の周りにいた女子は徹底的に無視をするようになり、挙句の果てに小1の時に行った悪行(クズ人生1参照)までもが蒸し返されてまた同じ事をやっているなんていう尾ヒレまでもがついて噂になった。

最悪の事態となった。
もちろん夏歩ちゃんは口も聞いてくれなくなり目も合わしてくれなくなった。

自分が招いた事態をこの時初めて反省した。
だが、反省しても後の祭。
取り返しなどつくはずがなく私の学校生活はスクールカーストの頂点から最底辺まで転落した。

その後の学校生活はかなりきつかった。
私に対しての徹底的なイジメが始まった。

私のあだ名は「ダンゴムシ」になり、(後々分かったがいつも教室の隅に居て、女子が嫌ってるからということらしい)文房具がなくなる、トイレに行っている間にエンピツの芯が全部折られる、リコーダーが知らないうちに女子のものと入れ替えられ私がやったせいにされる等酷かった。

私は学校に行くのが嫌だったが、自分が招いた事だったのでだんだん卑屈になっていき親にも先生にもその事を相談する事は無かった。

親ぐらいには相談すれば良かったのだが相談出来なかった理由があった。
それはまた後述したい。

そんなイジメに耐えて小学3年生が終わりを告げた。

一生に一度のチャンスを逃した私は暗黒の学校生活の一途を辿る事となる…

今回はここまでにしておきます。
あーあの頃に戻って夏歩ちゃんに土下座したい。

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