婚姻編 21回目 弐拾五
では、日本人Aさん。
外国籍Bさんと結婚し、Bさん本国法の
法律よりB国籍を取得することになり
重国籍となりましたが
新婚旅行やら、新居への引っ越しやら、
新しい生活になれるので手一杯で、
すっかり、「国籍選択届」の届出を
していなかった場合、どうなるのでしょうか?
この場合、法務省の法務大臣から、Aさんに対して
国籍を選択の通知があります。
その通知は「催告文書」として配達記録郵便にて届きます。
その郵便が来た日から「1か月」以内に日本国籍の
選択をしないと、郵便を受け取った日から日本国籍を
喪失することになってしまいます。
面倒だから、時間がないからと放置してしまうと、
自らの国籍がなくなってしまいますので、
よくよく注意が必要です。
かりにAさんが新居に引っ越したけど、
転居届を出さず、
旧住所のままで過ごしていた場合、行政側としては
Aさんの所在を把握することができません。
しかし、行政側でAさんが、重国籍の状態である事は
把握できている場合、この催告通知を官報にてすることに
なります。
そして、官報に掲載されてから、1か月以内に
Aさんが届出をしない場合もまた、
Aさんは国籍を喪失することになります。
日常生活で官報を見ることがある人は、
ほとんどいないでしょうし
まさか、自分が官報に載るなんてことを考えることも
まれでしょうから、Aさんは、新居で新婚生活を過ごしている
間に国籍を喪失している可能性も十分にあることになります。
ちなみに、日本人が国籍を喪失すると「外国人」になります。
Bさんの国籍はありますので、生粋の日本人Aさんも、
B国の人になるということです。
日本国籍を喪失し、喪失前に取得したB国籍のみが残ります
しかも、国籍を喪失した瞬間から外国人になったAさんは、
日本にいるための資格「在留資格」が必要になる身分ですので
入国管理庁に出頭し、在留資格を得ないと、不法滞在になって
しまいます。
やはり、こういったことも起こりうることですので、
よくよく注意が必要です。