婚姻編 25回目 弐拾九

日本国内で、相手国法にそった方式で

有効に成立した婚姻のことを「領事婚」

言います。

日本人が

・日本国内で

・婚姻をする場合は、

・日本法でなければなりません

ですので日本国内で他国の法にそった方法で

他国法上は有効に婚姻が成立していたとしても、

それが日本の法律上有効として認められるか

どうかは別問題ということです。

そして、この問題で、例えば、

日本人Aさんとポルトガル人Bさんが

日本国内で駐日ポルトガル大使館内で

ポルトガル方式の婚姻を有効に成立したけれど、

それが日本では認められず、日本の法律上は

婚姻に至ってない場合の状態を「跛行婚」(はこうこん)
といいます。

ですのでAさんは、日本では未婚者、ポルトガルでは

既婚者という扱いになります。こういった状態は

身分関係に大いに問題になりますので、なるべく発生

しないようにしなければなりません。

そこで、前回の例のように、

ポルトガル方式のポルトガルで有効に成立した婚姻は

その婚姻証明を添付して、日本の役所に婚姻届を提出

する場合には、日本でも有効に成立したものとして

扱うという回答がありました。

しかし、だからといって、どんな国との跛行婚

認められるわけではありません。

前例では

ガーナ人同士が日本国内において、日本人司祭によって

挙式した場合

(昭和40/3/11 民事甲第2347号回答)

などは、日本国内でガーナ人同士のペアが、ガーナ方式では

有効に婚姻を成立させても、これをもって、日本法上の

有効な婚姻としては認められないと判断した例です。