振り返ればまだ半信半疑なわたしがいる
自分ってこんなもんじゃないはず。
そんな言葉を鼻息荒く飽きることなく自分に幾度も幾度も投げかける。その度にバットを握りしめて華麗に打ち返してきた。見事なまでのホームラン。
満塁ベースをとぼとぼ走りながら呟くのは「やっぱりわたしはダメなんだ」という可哀想なわたし。それをみて「こんなもんじゃない」なんて息巻いていたわたしも、なんだか安堵の表情なのは気のせいじゃない。
ベンチにいる「頑張りたいわたし」や「怠けたいわたし」や「やってみよう!なわたし」も「卑屈なわたし」・・・などなどいろんなわたしも、やっぱり安心しちゃってるんだよね。
ダメなんだ、と思って打ち返したホームランに「ほら、やっぱりダメだった」ってさ。
それはそれで願いが叶っているっていうんだから、神様って優しいよね。どんな願いも忖度なく受け止めてくれるんだから。
神様、っていうか、人間のもつホメオスタシス、っていう仕組みらしい。ホメオスタシス。早口言葉みたいだけど「恒常性」という、生物が生命を維持していくためのなくてはならない働きをしているんだって。
つまり「やっぱわたしってダメなやつー!」と叫んで打っていたホームランは自分のために甲斐甲斐しくしていたことだったんだよね。そうそう、ダメだと思っているそのままのわたしでいけ!という「監督のわたし」が有能だったってわけで。
でもこの仕組みは逆を返せば「できるぞ!自分!」というチームにもなれるってこと。「よっしゃ!できるんだ!真由子!な監督」がわたしの中にいてそのチームがホームランを打つようになれば一気に試合状況は変わるはず。
でも。一つのチームでは試合はできないから「やっぱりできないんだよ、どうせさ」っていう自分が打っちゃう時もある。
そんな時に、「ああ、今日は打たれたけどさ、またいい試合しようぜ」なんて握手でもして試合後に一緒にビールでも飲めたら最高だよね。どっちのチームもわたしなんだからさ。
そんな行きつ戻りつな自分がどんな風にここで変化していくのかを記録していこうと思う。