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ヤマガラビレッジ(旧熊本市金峰山自然の家)のCS対応について

こんにちは。木のいえ設計室くわくわの巻 京子です。

熊本市の公共施設の意見交換会に参加するようになって7年。
2017年、サクラマチ内にある、熊本市運営部分の内装仕様について、化学物質過敏症対応の仕様を提言したのが初めてでした。

熊本市には、1995年発足したバリアフリーデザイン研究会(バリケン)があります。
設立者の白木力さん、現熊本市議村上ひろしさんの尽力もあって、
熊本市に熊本障害フォーラム(KDF)も設置されました。
さまざまな障害を持つ当事者の意見を市政に生かすべく、これまで意見交換会が続けられています。

また熊本には、くまもとCSの会(CSの会)=患者同志の交流を目的にスタート=した会があります。
設計士として、CS、アレルギーなどのクラインアントさんたちの住宅を設計してきた私はCSの会のメンバーと、バリケンのメンバーでもありました。

サクラマチプロジェクトの意見交換会にバリケンメンバーとして参加したことがきっかけで、熊本市にCS対応の提言をすることをCSの会に提案しました。

熊本城ホールに付随する会議室、授乳室、救護室、など、CS の会のメンバーでもマスクなしで、滞在できるスペースを作ることができたのは、30年間の
熊本市とバリケン、KDFの信頼関係があったこと、当時のプロジェクト担当市職員の皆様が真剣に取り組んでくださったことの結果だったと思います。

それから、大江コミュニティセンター、熊本県防災センターと小さな規模の公共施設にも、私たちの声を取り入れていただきました。

2021年から意見交換会が始まった金峰山自然の家の建て替えプロジェクト。
KDF、バリケン、そしてCSの会も意見を発言してきました。

確認申請の前の状態でしたから、設計変更にも対応してくださいました。
担当設計事務所の株式会社環境デザイン設計所のみなさん、
施工担当の株式会社三津野建設のみなさん、運営に関わる株式会社R.project
の方など、本当に真剣に私たちの提言に向き合って、話し合いを重ねてくださいました。

熊本のこどもたちのための山の家は、熊本県産木材を基本に木造のバンガローが宿泊棟になります。
くわくわでは、杉を使ってきましたが、CS患者の中には杉にも反応する方もいて、代替えの材料を選出するために、私からいくつかの素材のご提案をし、施工会社が材木店に探してもらう、会のメンバーが確認をする、という手間のかかる行為に、なんども取り組んでくださいました。

そして、特筆すべきことは、運営上で使用するアメニティには匂いの強い合成洗剤系のものは使わず、石鹸系のシャンプーや石鹸などを使用する方向で進んでいます。
水に自信を持つ、熊本市。
水を汚さない物を使うことは、こどもたちのへの生きた教育になります。


2021年から根気強く意見交換会に参加してきた、KDFのみなさん、バリケンのメンバー、CSの会のメンバーの頑張りも忘れてはいけないと思います。

そして、なにより、真摯に意見を聞き入れてくださった、熊本市教育委員会の熊本市立金峰山少年自然の家新施設整備プロジェクト担当の市職員のみなさんの取り組みのおかげです。

CS対応の宿泊棟 

2025年4月1日開設予定のこの場所が、化学物質過敏症の方にとっての安らぎの場所になるかどうか?
今の時点ではまだ確認できません。
どんな方でも使用できるかどうかもわかりません。

でも、熊本市にCSの方が宿泊できる施設ができる、かもしれない!
それは、画期的なことだと思います。

現在、全力工事中!!

あと数ヶ月後の竣工見学が楽しみです!
ヤマガラビレッジ(市民からの募集案から決定) 完成予定VR動画をご覧ください。
映像中盤のB6棟がCS対応宿泊棟です!
一部、内装仕様は変更されています。


行政公共施設ご担当者さま、化学物質過敏症対策のアドバイスをいたします。(CS対応はバリアフリー対策の一環です。)

こちらまで、お問い合わせください

木のいえ設計室くわくわ





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