介護の家も楽しく
こんにちは。木のいえ設計室くわくわの巻京子です。
埼玉でのお仕事でした。
91歳のお母さまをご自宅で介護するための、大規模リフォームです。
お母さまが寝室から直接アクセスしやすいようにトイレを近くに移動しました。扉の色もお母さまのお好きなブルーに。玄関からの冷気を遮断して廊下も温度差がないように扉をつけました。全て引き戸。全体に手すりをつけていたので、ご自分ひとりでトイレに行けるようになった、とても喜んでいただいたようでした。
絵のお好きなご家族は家中にセンスの良い素敵な思い出の品物や、額を飾って、もちろんお母さまの寝室にも大きな絵画が飾られました。
寝室の壁は、地震の際にも充分な強度を持たせたかったので、下地に30ミリの杉板を張り、その上に石膏ボードと漆喰で仕上げました。せっかくの無垢板を隠してしまうのはもったいないと思いますが、女性は杉の節が気になるという方もおられるので、あえて下地として利用。漆喰は空気を清浄に保ち、かつ調湿効果が高いので夏でも冬でも湿度が50%〜60%。ウィルスも生きにくい環境です。
脱衣室の床にはコルクを張り、裸足でも冷たくありません。折りたたみ式の椅子を取り付けたのでお母さまの入浴時、お役に立ったようです。お風呂上がり、ちょっと腰掛けてみたいと私も思います。
タイル張りの狭くて寒かったトイレは寝室近くに移動し広くして、洗面器も身長に合わせた高さにしました。夜利用される簡易トイレを洗うための洗浄水栓も取り付けました。洗面台下の扉の色は娘さんからのご指定です。気分が明るくなります。
リビングの南側に増築したサンルーム。
お母さまが亡くなった後お邪魔した日、「家が暖かくなって、自分でできることが増えた」母はとても喜んでいました、とご長女の方からうかがったとき、とても嬉しく思いました。
ちょっとした色づかい、デザインで、家はどんな風にも変わります。
楽しい気分で暮らしていただきたいと思っています。
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