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セタビの森の植物たち

 動物が誕生するよりもはるか昔にこの惑星のすみずみに根を張り、雄大にひそやかにわたしたちを見守ってきたかのような存在である植物。人間も他の動物と同様に植物無しに生きていくことは出来ない。
 植物はわたしたちの栄養となり、薬となり、衣服となり、住まいとなり、きれいな空気を作り、目を楽しませ、心を癒す存在でもあるのだ。
 植物をモチーフとした作品およそ130点が集結する「世田谷美術館コレクション選 緑の惑星 セタビの森の植物たち」が2025年2月27日(木)から4月13日(日)まで同館(世田谷区砧公園1-2)で開かれる。


 出品作品は多種多様。。アンリ・ルソーや北大路魯山人など世田谷美術館を代表する定番のコレクションに加え、今回展示の約5割が初公開作品となる。油彩、屏風、掛軸、版画、彫刻、工芸、写真、スケッチと、ジャンルも多彩な作品が展示され、植物の表現の多様さも味わえる。
 また、本展では数十年にわたる世田谷区立小中学校との連携事業を活かして、子どもたちの制作した1200点以上の植物作品も展示する。
 これは世田谷美術館が地域に密着した教育普及活動を行ってきたことによるものだ。同美術館は1986年の開館以来、区内小中学校の子どもたちを毎年約8000人迎え入れ、子どもたちを案内する「鑑賞リーダー」とよばれるボランティアが現在400人以上活動している。

 今展は全6章から成る。
第1章 森林
 樹木、木々を描いた作品でこの展覧会は始まる。

吉田善彦《武蔵野月の出》1983年 世田谷美術館蔵


第2章 風景
森や山や公園など、自然の景観を捉えた作品が紹介される。

アンリ・ルソー《散歩(ビュット=ショーモン)》1908年ごろ 世田谷美術館蔵

(冒頭の写真:向井潤吉《不詳(風景)》制作年不詳 世田谷美術館蔵)

第3章 庭園
人の暮らしと共に身近なところに生きる植物たちを描いた作品たち。

塔本シスコ《春の庭》1990年 世田谷美術館蔵 
北大路魯山人《雲錦大鉢》1940年 世田谷美術館蔵 
岸波百草居《写生(野菜)》1940年 世田谷美術館蔵

第4章 花園 セタビコレクションから選りすぐりの“名花”がずらり並ぶ。

荒木経惟《花曲》1997年 世田谷美術館蔵

第5章 楽園
楽園や光をテーマにした作品が楽しめよう。

第6章 エピローグ:みんなでつくるセタビの森(無料スペース)
 本展のクライマックスは、1200名を超える区内小学校の子どもたちによる植物の作品が天井を飾る。また、このコーナーでは、誰でも葉っぱや花など植物の作品を描いて壁の木々に貼りだすことができる。

 開館時間は午前10時から午後6時(最終入場時間は午後5時半)。休館日は月曜日。観覧料は一般500円、65歳以上400円、大高生400円、中小生300円、未就学児無料。。
 オンラインチケットを2025年2月18日(火)正午より販売する。クレジット決済、またはd払い。オンラインチケット販売サイト 
 問い合わせは℡050-5541-8600(ハローダイヤル)。世田谷美術館公式サイトは https://www.setagayaartmuseum.or.jp/

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