ポール写真展に行った!!
ポール・マッカートニーは1960年代に写真を撮っていたことは覚えていたものの、具体的にいつだかが分からずにいた。ただ覚えていたのはビートルズがまさに羽ばたこうとしていた頃だったということだ。
ポールはその写真の件を放っておいた。こう考えたのだというー「いつかそれにふさわしい時が来れば自然と出てくるだろう」と。
2020年、亡き妻リンダの写真展が開かれていた際、ポールが撮った写真が彼の会社MPLの倉庫に保管されていることが分かった。
そして2023年にそれらの写真がお披露目された。ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーのリニューアルオープン記念として開かれた写真展でだ。その後、アメリカへ巡回して、日本にやって来た。
ビートルズが英国でビートルマニアという熱狂的な社会現象を生み出し、米国に上陸して人気テレビ番組「エド・サリバン・ショー」に出演するまでの63年12月から翌年2月までにポールが撮影した約250枚の写真だ。
それらの写真が展示されている「ポール・マッカートニー写真展 1963-64~Eyes of the Storm~」が2024年9月24日(火)まで東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催中。
同8月5日(月)に行ってきた。
ポールによると、次のようなことを思い出させてくれたというー「当時の英国は自分たちのというよりも両親の世代の国だったということ」「初期のコンサートと元々のファンたち」「ビートルマニア」「ブリティッシュインベイジョン」「約束され希望に満ち、北部から来た4人の若者たちにとっては全てが新鮮だった63年のロンドン」。
そして「あこがれていた国、エルビスの国アメリカの素顔」。
恋人の表情、ジョンの表情
写真展を見て、まずジョンの表情がいいと思った。
よく言うではないか、女性の一番美しいショットは有名カメラマンが撮ったものではなく恋人が撮ったものだって。
ジョンはポールが好きで信頼しているし、ポールはジョンが好きだってことがジョンの写真からよく分かる。
ポールは気に入った写真に✖マークをつけた。見たところ、ジョージの写真にその✖マークが多く書かれていた。
あとビートルマニアというのはほとんどが女性だということだ。女性というもは一般的に「常識」にこだわることなく自分の好き嫌いの感性でお気に入りを見出していくことがここからも分かる。
ポールがいうように、戦前の古い頭を持った世代からだんだんと若返ってゆく、そういう転換点の象徴としてビートルズが現れたともいえよう。
それを、自分たちとモノの捉え方を同じくすると直感的に分かった若者たちがビートルズを熱狂的に贔屓し、マニアとなったのだ。
ビートルズは英国を席巻した後、64年に入るとパリに赴く。初のフランス公演のためだった。このパリ滞在中に米国でシングル「抱きしめたい」がヒットチャートの首位を記録する。
この報せはパリにいた4人やブライアン・エプスタインなどに届くと、夜中、ホテルの部屋で「お祝いのパーティ」が開かれたという。
ポールは他の3人だけでなく、マネージャーのエプスタイン、プロデューサーのジョージ・マーティン、ローディ―のマル・エバンス、DJのマレー・ザ・Kや運転手などにもカメラを向けた。
当時既婚者はジョン一人。ジョンと一緒に妻シンシアが写っている写真が何点もある。ジュリアンは63年4月生まれなので、二人はビートルマニア全盛の頃でもあり、ジュリアンを人に預けていたのだろう。
ポールは俳優ジェーン・アッシャーとつきあったいた。でもマイアミではちゃっかりアメリカ人女性とデートをし、写真にも収めていた。
ポールの家族ー父親のジムや弟マイクの写真も展示されている。
開館時間は午前10時から午後7時。金・土は午後8時まで。7月19日(金)は午後5時まで。入館は閉館の30分前まで。
入館料は一般2600円、学生(大・専門・高校生)1800円、子供(4歳~中学生)1000円。いずれも税込み。
問い合わせは℡050-5541-8600(ハローダイヤル)まで。
また、同写真展は、2024年10月12日(土)から2025年1月5日(月)まで大阪(グランフロント大阪・北館・ナレッジキャピタル・イベントラボ)へと巡回する予定だ。