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特集コーナー清水多嘉示

 石橋財団アーティゾン美術館(東京都中央区京橋1-7-2)が日本近代を代表する彫刻家として知られる清水多嘉示(たかし:1897-1981)の特集コーナー展示を行っているのを鑑賞した。

清水多嘉示《自画像》新所蔵作品


 清水はもともとは画家を志して絵画を学んでいた。1919年の第6回二科展に入選。画壇デビューを果たし、1923年に渡仏する。
 パリ到着後、清水はエミール=アントワーヌ・ブールデルの作品に衝撃を受け、彫刻に目覚めた。一方で絵画制作も続け、日本人として初めてサロン・ドートンヌに絵画と彫刻の同時入選を達成。

清水多嘉示《ギターと少女》1925年頃 新所蔵作品--アンリ・マティスの影響が伺える 
清水多嘉示《丘を望む》1927年 新所蔵作品  こちらはセザンヌの影響があるようだ 
清水多嘉示《憩いの読書》1928年


 帰国後は帝国美術大学(現武蔵野美術大学)の創設に参画。日本の近代彫刻をけん引する一人として確かに地位を築く。
 石橋財団は、近年遺族から絵画を中心とする清水の作品17点の寄贈を受けた。多くは欧州滞在記のものんで、清水がフランスで学んだエッセンスが瑞々しく作品に現れている。
 本展ではこれらの作品をまとめて初公開するとともに、同館所蔵の関連作品を合わせて紹介している。

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