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南千住・泪橋・隅田川へ
2025年2月4日(月)、東京メトロ日比谷線の南千住駅に降り立った。そこから浅草方面へとぶらぶらしてきた。
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歩いて7分ぐらいだろうか、泪橋交差点だ。
南千住にはかつて小塚原刑場があった。山谷地区の北の端だ。江戸時代にはここで磔(はりつけ)、火あぶりや獄門が行われ、牢内で切り落とされた首もここに運ばれたという。
その近くの思川(おもいがわ)に橋がかかっていたが、刑場に行くにはこの橋を渡らなければならなかった。
罪人にとっては最後の娑婆(しゃば)の景色であると同時に、家族らにとっては処刑される者との今生の別れの場で、この橋の上でどちらも泪を流したことから、この橋を泪橋と呼ぶようになったという。
現在は思川は暗渠となっており、その名は交差点やバスの停留所に残されている。
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道を歩いていると多くの安宿があることに気がつく。
食べ物店は閉まっている所が多い。開いている所は大衆的な飲み屋が目立っている。コンビニはほとんどないようだった。
泪橋を過ぎてしばらく行くと映画喫茶「泪橋ホール」がある。ここで2月8日(土)午後2時から幻のドキュメンタリー映画「山谷やられたらやりかえせ」が上映されるという。(予約で満席らしい)
これは1985年の作品。
Wikipediaによると、「山谷を舞台にした日雇い労働者のドキュメンタリー作品で、彼らの生活の実態や闘争を描いている。また、大阪・釜ヶ崎など他地域のドヤ街の生活も描かれており、労働者を描いた作品としては他に類を見ないリアルな作品となっている」。
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この映画のスタートは前年に全共闘の闘志で山谷の闘争にも関わっていた佐藤満夫によりシナリオ案が練られたことだった。
撮影が開始されたが、佐藤は地元のヤクザに狙われるようになり、1984年12月22日、佐藤は西戸組の組員によって刺殺された。
ちなみに映画の冒頭には刺された直後の佐藤の映像が使われている。
撮影は中断するが、佐藤が遺したフィルムをもとに有志によって検討が進められて、全国日雇労働組合協議会の創設メンバー山岡強一に託された。
85年の秋には映画は完成し12月に初上映された。
だが、翌年1月13日、山岡が日本国粋会系金町一家金竜組の組員に射殺されることになる。
そうした経緯から現在は幻の映画ともいわれている。
大通りから横道に入って歩くと、パイロットシューズという会社の社員寮があった。周りを歩いてみると靴関係の会社などが集まっている。ゴム会社とか東京靴加工組合だとかがあった。
もう少し浅草寄りには皮革関係を扱っている所もいくつか見られた。
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そして歩を進めて台東区清川、今戸そして橋場。
隅田川に出てきた。東京スカイツリーが見える。
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川沿いに進むと隅田公園。桜の木が並んでおり、春は見事だろう。
この桜の木々はワシントン桜だという。
1912年、東京市(当時)はアメリカのワシントンDCに桜を贈る。その木々はポトマック河畔に植えられて大切に育てられ、桜の名所となった。
隅田公園に植えられている桜は1985年に桜橋が完成したのを機に、ワシントンの桜(子孫木)の里帰りを実現させたもの。
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もう少し行くと浅草だ。
歩き続けたのでやや疲れたが、有意義な散歩だった。