3.27原子力規制委会見
2024年3月27日(水)の原子力規制委員会で設置が了承された「原子力災害時の屋内退避の運用に関する検討チーム」は原子力災害と自然災害とが同時に起こる「複合災害」についても議論されるだろうと山中伸介委員長は同日に行われた定例会見で述べた。
「今回の屋内退避についての様々な検討について、いろいろな条件ということで複合災害というのも入ってくるというふうに考えています」。
ただし、複合災害時の屋内退避についての検討結果が一種の国家規則である原子力災害対策指針や各地方自治体で定める地域防災計画に自動的に反映されていくことはないという考え方も山中委員長は同時に示した。
「指針というのは放射線防護に対する基本的な考え方を示しておりますし、その中では複合災害がおこったときにどうあるべきかということについてはすでに示してございますし、それに基づいて立案されている地域防災計画を何か変更していただくという、そういうことは考えておりません」。
そして山中委員長は検討チームの議論の結果は「原子力規制委員会が判断をしていく材料に使わせていただくということ」だと話した。
「多号機サイト」についての規制は?
また、更田豊志前委員長がひとつの原子力施設に複数の原発があるいわゆる「多号機サイト」についての規制を考えていくべきかもしれないと発言されていることに関する質問があった。
それに対して山中委員長は「私も多号機サイトというものは全く無条件に問題がないかというと、それについては検討しなければならない事項であるということは考えておりますし、審査の中で、いわゆる多号機サイトの条件というのは、きちんとみれているというふうに考えております」という。
さらに今年3月22日に審査会合が行われた日本原子力発電敦賀2号機(福井県)に関して、審査チームからは原電が説明しようとしている活断層の評価手法は「科学的、技術的な根拠がない」との指摘が相次いでいた。
これについて山中委員長は「活断層の活動性、連続性について議論をしているということについても報告は受けておりますし、その報告の中で、やはり事業者(日本原電)の説明に科学的、技術的な説明とは考えにくい、そういう部分があるという報告も受けている」と話す。
そのうえで「そこはきっちりと科学的、技術的な根拠に基づいて審査に臨んでほしいと事業者に対しては考えているところです」と述べた。