4.24原子力規制委会見
福島第一原発で免震重要棟が電源停止したことについて、原子力規制委員会の山中伸介委員長は2024年4月24日(水)の定例会見で「ALPS処理水の電源系統が停止したとの報告を受けている」と話した。
そのために処理水の海洋放出が一時停止した。
「要因については調査中」だが「現状では電源復旧している」と述べた。
作業員が掘削作業で電源ケーブルを損傷し、電源停止したものと思われるとの報道がなされており、作業員が火傷したといわれている。
「関連性についてこれから調査する。今後の調査次第だと思っている」として電源停止と作業員の怪我の因果関係については明言を避けた。
また、日本原燃の核廃棄物埋設施設において水を通しにくくするためのベントナイトの覆土での含有率を下げたことについて、含有率を減らしても性能が保たれているときちんと証明してもらう必要があると述べた。
ベントナイトは粘土の一種で水を吸って膨れる性質があり、水を流れにくくする。そのため覆土が水を通しにくくするために使われている。
核廃棄物施設を覆うように難透水性覆土が囲んでいる。これは放射性物質が水に溶けだして外部に漏れることを防ぐため。
日本原燃が事業変更許可時の説明とは異なるベントナイト混合率の覆土を用いるとしている点について、ベントナイトの価格高騰が主たる原因ではないかとの話が同日の原子力規制委員会の会合であった。
安全文化上問題だ!
伴信彦委員会から「ここまで露骨なことをやるなら・・・コストが本当に理由ならば安全文化を疑います」との発言があった。
関連して山中委員長は会見で「透水性能が許可通り出ていれば、コストは事業者が考えること」としながら同時に「覆土の組成が変わっているわけだから、(日本原燃が実験などで)証明するしかないと思う」と話した。
4月22日(月)の屋内退避についての検討チーム会合で、放射能被ばく対策としてその摂取が有効とされる安定ヨウ素剤の配布について、原発から5キロ圏内では事前配布、30キロ圏内ではのち配布するとされている。
山中委員長は「ヨウ素剤配布は重要事項」との認識を示した。
さらに自然災害と原子力災害が同時に起こる「複合災害」時には防護施設が「きちんと機能しなければならない」ので、北陸電力志賀原発(石川県)だけでなく他のところでも「防護施設の強化」を精力的にやっていかなければいけないだろうと山中委員長は述べた。