原子力規制委2・14会合
2024年2月14日(水)の原子力規制委員会で原子力災害の際あるいは危険がある際の屋内退避に関して議論し、これを進めるために外部専門家、内閣府、東京電力福島第一原発事故時などの経験がある方等を含む検討チームを発足させることが決まった。
山中伸介委員長から、委員会から伴信彦委員と杉山智之委員も同チームに参加してもらいたい旨要請があった。
能登半島地震では家屋倒壊や道路の寸断による集落の孤立化などが起こって想定されている屋内退避が不可能な事態となった。
ただ今回の会合では現在の退避範囲は「見直す必要はない」ことになった。現在の原子力災害対策指針(原災対策指針)では、事故発生時には原発から5キロ圏内の住民は避難、5-30キロ圏内は屋内退避するように定められている。今回、志賀原発の30キロ圏内で多数の家屋が倒壊している。
前回(2月7日)の会合で山中委員長は「屋内退避をいつ始め、どのくらい続けて、解除した後どうするかについてが重要だ」と話していた。
今回会合では、複合災害における考え方、まずは「出来る限り被ばく線量を低くする」それと「被ばくを直接の原因としない健康への影響を抑える」、この点については変更しないことが確認された。
避難と屋内退避を適切に組み合わせていくという基本的な考え方についても「引き続き有効」だとされた。
伴委員は「避難と屋内退避の二つしかない。それらを組み合わせてどう最大限に効果が発揮できるようにしてゆくということ」と指摘した。
杉山委員からは「屋内退避の前提として、個々の家屋が健全であればいいのだが、せめて集会所のようなところをある程度整えておいてほしい。地震、津波、火山灰が降るような場合、大雪などそれぞれダメージが異なってくる。今は道路が寸断されたりして地震警報出ても使えない」と指摘。
それゆえ「集会所のようなものを検討すること」が大切とした。
さらに、屋内退避を最も有効にするために検討すべきこととして、オフサイトでの避難のみならず、解除するタイミングなどは「プラント(原発施設)の状況を見ながら」判断すべきだと杉山委員から話があった。
基本として、屋内退避は長期間に及ぶことは想定されていないことが再度指摘され、当初から屋内退避にしてしまうと後からプラントのトラブルがあった場合に対応が出来なくなるという議論があった。
「早くから屋内退避とすると身動きがとれなくなる場合もある。必要な措置が一番いいタイミングでとれるように」と伴委員は語った。
原発事故時の問題のひとつとして、セシウムといった放射線物質が放出されて、それによる被ばくを防ぐためには「ある程度気密性が確保された建物の中でやり過ごす」ことが大切との説明があった。
さらに、蒸気状のものが飛んできた場合の対応もと付け加えられた。
また確認事項としては、「地域ごとに違った条件があるので地域ごとに防災計画は変わってくる」という話が改めてあった。
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