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2・28原子力規制委会合
東京電力福島第一原発の焼却施設の木材貯蔵槽で火災報知器が作動したことに関して、2024年2月28日(水)に行われた原子力規制委員会の会合で、火災の可能性があるために水が注入されたが、その影響で「非管理施設への水の滲み」が生じたとの報告があった。
滲み出た部分は「ふき取っている」というが、「管理区域から非管理区域への水の漏洩の可能性を完全には否定できない」という。
2月22日、同施設で火災報知器が作動し、監視カメラで火元がないことが確認されたものの、その後発生した水蒸気で目視が難しくなり、火災の恐れがある場合に備えて119番通報をした。
火災報知器の作動で廃棄設備が一旦停止した。復旧までおよそ4時間かかったが、復旧後も水蒸気の排気が間に合わず、目視が困難なほど水蒸気が滞留していたので、23日に入り廃棄物駐留ピット内への注水を開始した。
1200トンの水を注入
水蒸気の発生を抑えるため、および「温度が40度近くまで上がった」ため、総計で「1200立法メートル(トン)」の水を注入したという。
水が滲み出たのはそもそも水を張るような構造になっていなかったとの指摘もあった。伴信j彦委員からは、管理区域の隅のスペースに廃棄物駐留ピットがあって「非管理区域は防水加工されていないのだから、水を入れたら滲み出るのは当然だ」との発言があった。
そして、「水を注入するまでの過程に何か問題があったのではないか」との疑問が同委員から表明された。
注水は25日の午後まで続けられた。
東電の26日の発表では「水蒸気の滞留は減少傾向にあるものの、視認性が十分確保されていない状況であるため、今後も排気を継続するとともに、現場状況を確認しながら必要に応じて注水の実施等を検討」するとあった。
東電によると、作業員の被ばくや周辺モニタリングポストなどへの影響は確認されていないという。
注水の施設への影響は?
東電に対して原子力規制庁から主に2点の対応が指示された。
〇注水したピット周辺の壁面の滲みが継続しており、水分の建屋外への漏洩の可能性があるので滲みの拡大防止対策を講じること。
〇ピット内の水蒸気発生抑制のため、まだ水が張られた状態だが、注水の施設への影響を速やかに評価し、必要な対策を検討すること。
そのうえで「サイト全体のリスク低減を進めるため、速やかな稼働再開が必要」との発言がなされた。