見出し画像

笹山遺跡を訪ねた

 2024年6月9日(日)、新潟県十日町市にある笹山遺跡を訪ねた。ここは国宝・火焔型土器が発見されたことで知られる。
 火焔型土器など深鉢型土器57点をはじめとする笹山遺跡出土品計92点が国宝に指定されている。
 新潟県にとっては初の国宝指定となった。


 地元の名士・根津東六さんが案内をしてくれた。根津さんはNPO明るい社会づくり運動「十日町・津南・魚沼地区協議会」前会長である。
 「縄文時代に人が住んでいた場所です。山から洪水が起こって、そういうことが何度か繰り返したらしい。しかし、川があり湧き水があり暮らしやすい。ここの河岸段丘は7段あるという。大変住みやすく大集落だった」。
 笹山遺跡は縄文時代の集落跡えと鎌倉時代から戦国時代にかけての集落跡とが重なっている。今から約5500年前~およそ4300年前まで存在した。集落の形は円に近く、直径約130メートルと比較的大型。
 祈祷や埋葬のような祭祀を行う中央広場を囲んで竪穴建物が並び、各建物の中央に火をたく炉が配置されていた。あわせて約130坪分の建物跡が発見されている。生活用具や祭祀用具もあわせて20万点以上見つかった。
 他地域との交流も当時から盛んだったようで、東北、北陸、関東そして長野からの影響が伺えるという。

敷地内に再現された竪穴住居 
竪穴住居内の炉 
竪穴住居内

 火焔型土器が出た場所にはモニュメントがある。1.5メートルの地中から見つかった。上半部が天地さかさまで胴部下から、底部を欠損した状態で土から出された。手で壊れないように慎重に掘っていったという。
 1982年のことだった。

発見場所に作られた火焔型土器のモニュメント 

 実際に発掘された火焔型土器は十日町市博物館で展示されている。
 

いいなと思ったら応援しよう!