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移住希望地一番人気は静岡

 移住希望先で一番人気は4年連続で静岡県だった。大きくランクアップしたのは群馬県で、北海道の人気にも拍車がかかった。
 認定NPO法人ふるさと回帰支援センター(東京都千代田区)が2009年から毎年アンケート形式行っている「移住希望地ランキング」の最新版(2023年)がまとまり、発表された。
 新規の同センターでの窓口相談では静岡県が1位だったが、「多くの年代から人気で、アクセスや利便性の高さを活かした結果」だという。
 また、前回(2022年)に9位だった群馬県が2位に躍進した。「地震が少ないなど安心安全な移住先候補として、また生活費や教育費の安さから、子育て世代からの相談が急増している。東京から100キロ圏内ということもあり、テレワーク層からも人気が高い」。


 前回12位から7位に順位を上げた北海道。「コロナ禍後、旅行や帰省で訪れる人が増え、移住をしたい気持ちが高まった結果、相談増につながっているようだ。また、テレワークに関する相談も増加。当初は、関東近県に集中していたテレワーク移住が北海道へも広がり、人気に拍車をかけた」。
 山口県は9位だった(前回15位)。「デジタルマーケティングを活用し、SNSやWeb広告を通じた効果的な情報発信を行った結果、東京やオンライン等で開催した移住セミナーの参加者が増加した」。

ランク外から福島県が12位に
 また、前回ランク外だった福島県が12位になった。「県内市町村と連携した取り組みの強化が図られ、首都圏からのアクセスが良い中通りエリアへのテレワーク移住等に関する相談や移住、さらに福島県に所縁のある20代からの相談も増加した」。
 「加えて、原発事故で一時住民が避難した12の市町村に特化した移住促進策も進められ、ツアーで現地を訪問した方からの相談も増加した」。
 一方、セミナー参加者へのアンケート結果では、移住先希望ランキングの1位に初めて群馬県がなった。「古民家DIY」や「FP(フィナンシャルプランナー)に聞く移住のお金」など、移住希望者のニーズに即したセミナーを企画、年間51回実施することで、集客につなげた」という。
 また、「関係人口増を目的とした「古墳などの歴史・文化」や「地域ならではの食」など多岐にわたるテーマ」でセミナーを実施した効果もあった。
 他にも大きくランクアップしたのは、3位の和歌山県(前回8位)。加えて、前回の20位以下から、熊本県(15位)、宮城県(18位)、山口県(19位)がランクインした。

東京圏をとりまく各県の人気が堅調
 同センターの高橋公理事長は「コロナ禍以降明らかになった、東京圏をとりまく各県の人気が堅調だ」とコメントした。
 センター窓口相談によるランキングで「1位の静岡県は、「出張相談デスク」をセンター内で最多となる70回開催。政令市として唯一センターにブースを構える静岡市の検討も大きい。県下35全自治体がセンターの自治体会員になり移住者の受け入れ態勢を整えた」という。
 「3位は、栃木県。宇都宮市の「ライトライン」の開通など話題性に富んだほか、宇都宮駅の宇都宮市移住定住相談窓口「miya come(ミヤカム)」も本格稼働し、移住者の受け入れに熱心に取り組んだ」と評価した。 
 高橋理事長によると、希望する就労形態(複数回答)では最多が「就労(企業等)」70.1%(前回67.2%)、次いで「自営業」11.4%(前回8.6%)、テレワーク11.1%(前回7.7%)。
 「働き方の選択肢の一つとして、業種は限定されるもののテレワークが定着しているようだ」と高橋理事長は分析した。


 ふるさと回帰支援センターは、地方暮らしや地域との交流を深めたい人を応援するため、全国580の自治体と連携し、移住に関する情報を提供している。有楽町の交通会館に44都道府県1政令都市の相談員が常駐し、暮らし、仕事、子育て環境などの地域情報をもとに相談に応じている。
 移住後のフォローも行っているという。
 同センターのフロアには2016年からハローワークも併設され、常時2名の職員が相談に応じている。

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