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北欧のヴィルカラ大規模個展
常に自然と向かい合い、その躍動や神秘にインスピレーションを受けたフィンランドのアーティスト、タピオ・ヴィルカラの日本初の大規模個展が2025年4月5日(土)から6月15日(日)まで東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1)で開催される。
「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」展では「ウルティマ・ツーレ」(ラテン語で「世界の最北」の意味)に代表されるガラスのプロダクトをはじめ、木の彫刻やオブジェなど約300点によって、フィンランドのモダンデザイン界の巨匠の全貌が見えてこよう。
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2025年はヴィルカラの生誕110年および没後40年。
1940年代後半から1950年代にかけて、フィンランドのデザイン企業イッタラ社のデザイン・コンペ優勝やミラノ・トリエンナーレのグランプリ受賞によってヴィルカラは一気に脚光を浴びた。
デザインはガラスのほかに磁器、銀食器、宝飾品、照明、家具、グラフィック、空間までそのフィールドは幅広い。
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数多くのドローイングやプロトタイプを重ね、あらゆる素材に向き合い、触覚と視覚を鋭く働かせて生み出される洗練されたフォルム。
セラミック・アーティストの妻ルート・ブリュック同様、ヴィルカラはスカンディナビア半島北部からコラ半島に至る地域「ラップランド」の静寂をこよなく愛し、生命の神秘や大自然の躍動から得た着想は、「ウルティマ・ツーレ」をはじめとする名作を誕生させた。
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また、神話をモチーフにしたガラスのオブジェや、自ら開発した積層合板「リズミック・プライウッド」を用いたオブジェ、土や風すら味方につけるランドスケープ・アートには、プロダクト・デザイナーとは異なる表現者の顔をのぞかせる。
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ヴィルカラは1915年、フィンランド南部の港町ハンコに生まれ、幼少期をヘルシンキで過ごした。1936年、美術工芸中央学校卒業後、広告デザイナーとして働く。1945年、アラビア製陶所美術部門のセラミック・アーティスト、ルート・ブリュックと結婚。
1946年、イッタラ社のデザイン・コンペ優勝を機に同社のデザイナーに起用され、約40年にわたり第一線で活躍。
1951年のミラノ・トリエンナーレでガラス作品《カンタレッリ》と会場デザインでグランプリを受賞した。1966年、デザイン事務所「デザイン・タピオ・ヴィルカラ」を設立。
ヴェネチアン・ガラスの工房ヴェニーニやドイツの磁器製造会社ローゼンタール社とのコラボレーションワーク、フィンランド・マルク紙幣、フィンランド航空の機内用食器、「フィンランディア」ウォッカ・ボトルなどのデザインも手がけた。
1985年5月19日、ヘルシンキで69歳の生涯を閉じた。
(冒頭の写真は:《ウルティマ・ツーレ(ドリンキング・グラスのセット)》1968年 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art. © Ari Karttunen / EMMA
©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2024 C4780)
開館時間は午前10時から午後6時(入館は閉館30分前まで)、金曜日は午後8時まで。休館日は月曜日、ただし5月5日、6月9日は開館。
入館料は一般1500円、大高生1300円、中学生以下無料。
問い合わせは℡03ー3212ー2485.東京ステーションギャラリー(JR東京駅丸の内北口改札前)の公式サイトは https://www.ejrcf.or.jp/gallery/