「モネ 睡蓮のとき」展を観た
日本でも大変人気のある印象派を代表する画家の一人クロード・モネ(1840-1926)。彼のアイコンである睡蓮の連作を中心とした展覧会「モネ 睡蓮のとき」を2025年1月3日(金)、東京・上野の国立西洋美術館で鑑賞した。同展は同2月11日(火・祝)まで開催中。
午前中に行ったが、すでに長蛇の列。すごい人出だった。グッズ売り場へ入るにも建物の外で列に並ばなければならなかった。
〇第1章「セーヌ河から睡蓮の池へ」
1890年、モネが50歳の時、7年前に移り住んだノルマンディー地方の小さな村ジヴェルニーの土地と家を購入し、終の棲家とした。
同じモチーフで異なる時間や天候のもとで連作を描き続けた。
1890年代後半に主要なモチーフとなったのは、ロンドンの風景や、彼の画業を通じてつねに最も身近な存在であったセーヌ河の風景だった。
1893年、自邸に新たに土地を買い足し、セーヌ河の支流から水をひいて睡蓮の池「水の庭」を造成。この「水の庭」が初めて作品のモチーフとして取り上げられたのは、それから2年後だった。
池の拡張工事を経た1903年から1909年までに手掛けられたおよそ80点におよぶ〈睡蓮〉連作において、画家のまなざしは急速にその水面へと接近していった。
この章では、白いドレス姿の女性が舟遊びに興じる姿を描いた《舟遊び》、《セーヌ河の朝》、《ウォータールー橋、ロンドン》や《チャ―リング・クロス橋、ロンドン》などが鑑賞出来る。
〇第2章「水と花々の装飾」
1890年代を通じて連作の展示効果を追求するなかで、睡蓮という一つの主題のみからなる連作の構想が心に芽生えた。最終的には装飾というよりは、壁一面の水面とその反映で覆うことを考えた。
こちらでは《黄色いアイリス》や《藤》などの作品が展示されている。
〇第3章「大装飾画への道」
「大装飾画」とは、睡蓮の池を描いた巨大なパネルによって楕円形の部屋の壁面を覆うという、モネが長年、追い求めた装飾画の計画のことを指す。
1918年にモネは睡蓮の主題について次のように語っていたという。
「私の視点を都度変えながら、たくさんの睡蓮を描きました。その効果は季節から季節へと移ろうのみならず、瞬間から瞬間に絶えず変化します。睡蓮それ自体は、決して風景全体をなさないからです。実のところ、それらは脇役にすぎない。モチーフの本質は、あらゆる瞬間ごとに様相を変える水の反映なのです」。
〇第4章「交響する色彩」
モネの作品の色彩が生むハーモニーゆえ、同時代からしばしば音楽にたとえられてきた。1918年の終わり頃から最晩年まで、小型連作を手がけるなかでのモチーフは「水の道」や日本風の太鼓橋、枝垂れ柳などだった。
この章では《日本の橋》、《枝垂れ柳》、《ばらの小道、ジヴェルニー》、《ばらの庭から観た画家の家》といった作品が楽しめる。
〇エピローグ「さかさまの世界」
開館時間は午前9時半から午後5時半(金・土曜日は午後9時まで)。入館は閉館の30分前まで。
休館日は月曜日、1月14日(火)(ただし、2025年1月13日(月・祝)、2月10日(月)、2月11日(火・祝)は開館)。観覧料は一般2300円、大学生1400円、高校生1000円、中学生以下無料。
問い合わせ先は050-5541-8600(ハローダイヤル)。展覧会公式サイトは https://www.ntv.co.jp/monet2024/ 国立西洋美術館の公式サイトは https://www.nmwa.go.jp/
この展覧会は2025年3月7日(金)から6月8日(日)まで京都市京セラ美術館、同6月21日(土)から9月15日(月・祝)まで豊田市美術館へと巡回する予定。