私の中で「働く」が変わった瞬間
「大学を出て、働き、
そして、結婚して家族を作っていく」
それが、
子供の頃から
私の中では、
「当たり前」で
そうなると思っていたし、
そうしなければいけないと思っていた。
母親のひいたレールにのって進んだ薬学部。
大学時代に、メンタルダウンした私は
なんとかその「当たり前」から
外れないようにしがみつき
本当に周りの方々の助けのおかげで
大学生活を乗り切り
また、
実習でのご縁もいただいたおかげで
調剤薬局に入社することが決まったのだけれど、
バイトをしたこともなかった私は
「社会に出て働く」ということが、
全然わかっていなかった。
とにかく、
日々の業務を覚えて、こなしていくことに必死。
ちょっとしたことで
つまづき、怖気づき、不安になり
「自分がいるから、上手くまわらない」
とまで考える超ネガティブ思考。
しっかりと私を見守り、
適切なアドバイスをくれる先輩に
恵まれていたけれど
当時は、
「アドバイス=叱られる=ダメな自分」
の方程式を
成立させてしまっていたため、
泣きながら仕事に行く毎日だった。
その頃の私は
ずっと「自分」のことを考えていた。
どうしたら「自分」が失敗しないか
どうしたら「自分」がダメだって思われないか
それでも、
少しづつ、少しづつ、経験を積ませていただき、
患者様にお薬をお渡しすることも
なんとか尻込みせずに対応できるようになった頃
患者様にお薬をお渡しする段階で
お話を伺っていると
あわない薬が処方されていることがわかった。
そこで、薬局から病院に問い合わせて
先生に相談をしたところ
違う薬に変更することになった。
これは薬剤師として、
やるべき仕事のひとつなのだけれど、
「ありがとうございます。助かりました。」
改めて薬を準備し、お渡ししようとした時に
患者様からかけていただいたその一言と笑顔が
じんわりと私の心に響いて
患者様を見送った後、
あったかい気持ちとともに、
笑顔になっている自分に気づいた。
それまで
「働く」とは、
しなければいけないこと。と思っていた。
けれど、
「働く」ことで、
自分でも周りの助けになることがあるのなら。
この事をきっかけに
私は、
「自分」ではなく、
「周り」に意識を向けはじめた。
どうしたら、「周り」が良くなるか
どうしたら、「周り」が負担なく過ごせるか
そして、また
笑顔に出会えたり、
「ありがとう」の一言で
頑張ろうと力をいただき、
今もパートで働くことができている。
いまだ、
良かれと思ってやったことが裏目にでたり
「自分」を守ったり、
勉強不足も否めない。
それでも、
自分のできることで
周りの安心感や笑顔につながるなら
もっと学んで、
経験して、
成長していきたいと思う。
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仕事で大事なことを教えてくれた先輩のお話。
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