私に新しい仇名がついた日を懐かしく思う。
時は大学生時代、
お酒が呑める年齢になった頃、
ふつーにお酒が呑めた私は
ちょっと呑んだだけで、顔が赤くなる女の子が
可愛く見えて仕方がなかった。
私はなーんにも変わらなくて
強いて言えば
少しテンション上がる?
ちょっと笑い上戸になるかしら??
呑める父のアルコール遺伝子を
無事引き継いだおかげか
これまで二日酔いになったことも、
片手で数えるくらい。
そんな私が
お酒でやっちゃった!と思い出すのは
『砂場の女王』と
新しい仇名がついた時、だろうか。
それは同じく大学生時代、
同級生宅で飲み会が開かれた日のこと。
知人がカルーアミルクを作ってくれた。
初めて呑んだカルーアミルクは
それはそれは美味しい「コーヒー牛乳」で
私はごくごく飲み干しては
グラスに作ってもらってを
2〜3回繰り返した。
皆でひとしきり呑んだ後、
『酔いさまし』と称し、
近くの公園に散歩に行くことになった。
ブランコ、
鉄棒、
すべり台、
砂場が一通り揃った
きれいに整備された街の公園。
外灯の明かりの中、
公園に着いて、皆、
ベンチでくつろいで談笑する中
私は、
なんだか楽しくなっちゃって
笑いながら、
砂場で山を作りはじめた。
そのはしゃぎっぷりが
とても印象深かったらしく、
翌日、大学で周りから
「よっ。『砂場の女王!』」と
新しい仇名を頂戴することとなったのだ。
自ら楽しんだことはちゃんと覚えていたが
子供のようにはしゃいだことが
恥ずかしくて
当時は記憶が残っていないふりをした。
その後の飲み会では、
自分の中でブレーキをかけることを覚え、
また皆で、公園に行く機会もなくなり、
『砂場の女王』はいなくなった。
歳を重ねた今、
周りの迷惑なんかも考えるようになったため、
もう当時のように振る舞うことはないだろう。
しかし、
何も考えずにはしゃいだあの時を
懐かしくそして少し切なく感じるのは
自分に素直にいられたひとときを
羨ましく思うからかもしれない。
『お酒は楽しく美味しく呑めるほうがいいよ!』
呑むと顔を赤くする彼女に言われた言葉。
今は、日本酒片手に
美味しく呑めることに感謝しながら
まったり主人と晩酌するのが
楽しみとなっている
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