人生に起こる“偶然”に思いを馳せる
スーパーマーケットの陳列棚には絶対に並ぶことはないけれど、僕たちの日常において空気のごとくありふれたもの。例えば、その一つが“偶然”です。
偶然を手に取って眺めることは不可能です。しかし、スーパーで買った食材が僕たちの身体をかたちづくるように、偶然は僕たちの人生を実質的にかたちづくっていきます。なんか・・・不思議です(急にアホみたいな感想)
哲学領域にも偶然や偶然性と呼ばれるテーマがあることを知ったのは、つい最近のことです。例えば、九鬼周造さんは「偶然性の問題」という書籍を出してます。ほんとうに、ありふれたものほど、よくわからないものです。
インタビューを仕事にすると、当然いろんな方々の人生(Life)に触れさせていただくわけですが、そのたびに、その人のLifeに起きた偶然を想います。
(偶然に)起こった出来事、出会った人々、たまたま降ってきた着想・・・
昨日までは、起こることがまったく約束されていなかった(ように感じられた)のに、偶然なるものによって、出来事の姿で人生のなかに突如生まれてくる。その出来事を生み出す源となる“偶然”とは、果たしてなんなのか。
インタビューを繰り返していくたびに、”偶然とはなにか?”という、まるで僕の手には終えそうもない(けれど頭について離れない)ビッグクエスチョンが僕のなかに立ち現れてきます(これは、”必然とはなにか?”と表裏をともにする問いでしょう)。
「答えがわかった!(ユーリカ!)」となる日はおそらく来ないでしょうが、これからも偶然を愛しながら、偶然に思いを馳せながら、人と人生についての眼差しを深めていけたらいいな、と思います。
さて、おまけになりますが、”偶然”のレンズで世の中を見渡してみると、それもまたおもしろいです。
食べログやAmazonのレビューを見て、失敗しない選択をしようとする姿は「偶然の排除」とも言えるのかもしれません。人生に起こる素敵な偶然をどこかで夢見ながら、日々生きる上ではなるべく偶然を減らそうとする力学に、人間の社会の不思議を感じます。
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