マガジンのカバー画像

奇妙な味の短編

17
奇妙な味の短編を集めてしまった。
運営しているクリエイター

2022年1月の記事一覧

『誰』

脳が欠陥品と判明したので良品に交換して貰うことにした。
配送も終わったのであとは待つだけ。
これで仕事のミスも、無駄にざわつく不安感もなくなる。薬の量も減らせるかもしれない。
出ていった妻子も戻ってきてくれるかもしれない。
仕事も辞めなくて済むかもしれない。
何もかもに我慢してうつ向いているだけの生活もやめられるかもしれない。

僕は玄関まで椅子を持ってきて座って待つことにした。

それにしても

もっとみる