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赤子にもどる

赤ちゃんのままでは生きていけないのだとしても、大人だって何度でも赤子のようにさっぱりとしていい。

自らを縛る決めつけやルールがある。
それは過去の経験からくるものだったりする。
でも、それにこだわり続けるのは、自分を不自由にすることで、良くないことなのかもしれないと感じた。

特別はいらない。はじめから持っているから。
そう言っている人がいて、なるほどと思った。

セルフイメージを変える、などと言うとどこにでもある胡散臭い自己啓発本のようになってしまう。けれど、中身の部分では概ね同意だ。

私は歯を見せて笑うのが苦手だ。
いつからかと言われると分からないが、小学校高学年の時にはそう思っていた様に思う。写真うつりも悪く、撮られることが嫌いだった。苦手だと意識すると、ますます苦手になる。中高の修学旅行ではほとんどの人がインスタントカメラを持ってきて、思い思いに写真を撮っていたけれど、私は写真が苦手だったのでカメラを持っていかなかった。そんな調子なので中高の写真は極端に少ない。
そして成人式の時。写真屋で振袖姿を撮ってもう時のこと。歯を出さずに笑って撮った後、カメラマンに歯を出して笑ってと言われ、そうすると、やっぱり閉じて笑おうかと言われた。あ、やっぱり。そう思った。やっぱり歯を出して笑うと私は変なのだ。
それからはますます、気をつけるようになった。

けれどこの間、笑うと顔が左右で違っていると整体師の人に伝えたとき、頭蓋骨のずれを指摘され治してもらった。そして、成人式の写真館での話をすると、そういう思い込みが自分の頭に伝わり、体の歪みや現象を強くしてしまうから、と念押しされた。過去に何を言われても、忘れなさいと。いつまでも気にしなさんな。歯を出して笑った方が素敵だからと。

すっと腑に落ちた。

子供を見ていると思う。自分の感情に素直で、笑顔もぴかぴかと光っていて、泣く時は顔をくしゃくしゃにして。本来人は、こうなんだと。
でも、生きていたら嫌なことがあって、良いことがあって、自分はこうだという形ができていって。それはとても自然なことなんだけど、こうしなければという縛りもたくさんできて、そうしてどんどん不自由になっているのかと思うと、そんなものは忘れてしまえばいいと感じた。

歯を出して笑おう。人目を気にするのを、少しやめて。

何度でも、赤子に戻ろう。

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