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クウマ雑日記「月釜初め」1月25日(土)

神戸市兵庫区梅元町にある『バイソン』の一部にお茶室があります。
展示会場に使われたり、集まりが開かれたり、
時々宿泊施設になったりと常に何かが混じり合うような場所。

大人も子どもも犬も、誰でも集まれるお茶会が毎月開催されます。
いつもふらっと遊びにいくようにその場に居てみる。
いつの間にか過ぎている時を少しゆっくり見つめ直すことができる。
四季折々の遊びや慣わしとその意味も教えてくれて、
じんわりと効くような知恵をもらえる時間だと思っています。

BOWに会えることも楽しみのひとつ!

2025年1月25日に開かれた『月釜初め』
今年初めてのお茶会はいつもより少しだけ本気で味わう。

まずは、丁寧に漆器に添えられた一汁一菜の季節のお食事。
お料理を目の前にした時に、有難いなという感情が湧いてきました。
お椀の蓋の裏にあしらわれた小さなおもてなしの心も日本らしい。
ゆっくり口の中で広がるお出汁や繊細な味わいは身体全体へもじゅわっと広がりを感じます。

食べること、ひとつひとつに意味がある


お食事の後はお茶の時間へ。
毎度見入ってしまうお茶の所作。
あるべきところにいつも存在する器たちを見ていると、清らかな気持ちいい気分になります。
今日のために用意されたお茶菓子”きみしぐれ”
お茶菓子はお茶会ごとの目的や様子を話し合って、職人が作ってくださるとのこと。
偶発的な出来事や生物の出会いがうまれる月釜から
蒸した時に予測不可能な割れ方が特徴のきみしぐれになったそう。
内側の桃色は正月やバイソン(梅村と書きます)を思わせます。
華美な色味ではなく、朧げな淡い色は人の想像を掻き立ててる余白もあったりする。

今日はお着物姿でお茶をたててくださいました。
作法として人に断面はお見せしない。ただあまりにも可愛いので。


「茶室は小さな宇宙。そして、人も宇宙の一部。」
これから学びたい言葉をいただきました。

この会にはシナリオがない。
だからこそ、その瞬間にしか生まれない言葉がある。
今日伺ったお話たちは出会うべくしての出会うものたちだと感じます。

自然体な美しさを持ち合わせ、しなやかで、
そして内なる強さがあたたかい女性たちによる素敵なひととき。
大人だけでなく、そこにあるもので遊びを見つける子どもたちからも
新しい視点をもらえたりして過ごせるのも月釜の好きなところです。

それぞれのできることが集まる台所
自分たちで握ったおにぎりを頬張る子どもたち

そこにある言葉や空間がふ〜っとほぐしてくれたような気がして、
心がほくほくやわらかい内に書いてみました。

筆:KUUMAきただめぐみ

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