タイパは次世代の生き方(時間マネジメントの行動サイクル)2/3
タイパという時間マネジメント
大竹伸朗展で体験した大竹作品は、スクラップなどの仕掛によって、失われた時間を回復する事後的な試みでした。
それに対して「タイパ」は事前に時間マネジメントを行い、大胆にバッサリ時間を切り捨てたり、組み立てたりする新しい時間の使い方といえます。
マネジメントは経営管理を意味しますが、計画-実行-審査 ( PDS )、あるいは計画ー実行ー評価ー改善(PDCA)といった管理サイクルを伴っています。
ただ、企業経営のように、個人が自らの活動に対してマネジメントを行うことは難しいことです。
人生を通じて、自ら計画したスケジュールを実行して評価、改善するといった場面はあるかもしれませんが、それを活動のサイクルとして継続して回すことはほとんどないのではないでしょうか。
むしろ我々は、社会で共有されている「経験のパッケージ」を使って、日常を楽に生活しています。
会社に入れば出社と退社の時間は会社が決めてくれますし、テレビをつければ情報が提供されます。時間の使い方はある程度、他人や社会に依存しています。
それに対して、「タイパ」の時間の使い方は自発的なマネジメントによるものです。
背景には、情報過多により選択肢が膨れ上がり、「経験のパッケージ」の有効性が低くなったという事情があります。
その都度、時間マネジメントしていかないと情報処理が追いつかず、その結果、選択を誤り、失敗(不満足)に陥る確率が高まっています。
時間の使い方をシミュレーションする
最近は、時間の使い方に関して、個人が「シミュレーション」ができるようになっています。
事前にネット上で、様々な角度から好みの深さで関連情報を収集して、時間の使い方を決めることが可能になっています。
「ネタバレ」はその方法の一つで、経験値が低くなるリスクを冒しながらも、失敗の確率を低くする方法といえます。
この情報の"前さばき"を「センシング」と捉えることができます。
ネットが登場する前は、自分なりのアンテナを用意して「センシング」することなどできませんでした。自分の好みの雑誌を購読するくらいしか手段はなかったと思います。
幅広く関連情報を「センシング」して、自分の時間の使い方をその都度「シミュレーション」する。「シミュレーション」した結果は即、日常生活に「フィードバック」していく。
このように、個々人が一種の時間マネジメントに関する行動サイクルを回すようになっていきます。
次回は、「タイパ」の行動サイクルを考えます。↓↓
タイパは次世代の生き方(SMSFという行動サイクル)3/3|空間レシピ|note
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タイパは次世代の生き方(まず負の側面から)1/3|空間レシピ|note