わたしはパズルのピース ⑯
「おーい!大丈夫か?」
「えっ、あっ、、、
ピース朗って鋭いところついてくるなって思って…」
「でもさ。。。いつまでその張り合いを続けるの?
そんなことしてるとイライラするし悩んでる間に
どんどんキミらしさがなくなってしまうし‥」
「わたしらしさ?」
「そうだよ。キミはいつもはもっと一緒にいて楽しいじゃん。
みんなとふざけて笑いあったり一緒に喜んだりリラックスしてダラーっとしたり
でも、いざという時は支えてくれて
キミがいるとそれだけで楽しい場所にしてくれる
そういうキミらしさ。ってこと!」
「そうか・・・わたしらしさがなくなるのはイヤだ。。。」
「だろ?キミらしさはキミだけのもの。
いくらピースンと見た目が似ていても
キミ代のわりになることはできないんだよ。
逆も然りでピースンにはピースンらしさがある。
だからお互い張り合う必要なんてないんじゃないかな」
「確かにピース朗の言ってることは分かるわ。
でも。。。わたしに挑発してくるようなことを言ってこられると
イラッとしてつい反応しちゃうんだよね」
「いつもみたいに怒ればいいじゃん」
「あなたと喧嘩するような内容じゃないのよ、
ピースンとは。
そんな単純なことじゃなくって
女性ならではの複雑な心理が絡み合ってるの!」
「俺は確かに単純だけどなんだかけなされた気分だな」
「あなたが単純っていう意味で言ったんじゃないの。
悪い意味じゃないの。むしろいい意味にとってもらえると嬉しいわ。
ピースンとはもっと根が深いっていうんかな、、、
さっき、彼女に会った時も
旅行に連れていってもらったとか
持ち主のT君にキレイに拭いてもらったとか
聞いてもいないのにいちいち自慢してきて、、、
そうするとイラつくじゃない」
「キミも自慢し返したらいいじゃん!」
「やだ。自慢なんて。したくもないし。
するもんじゃないわよ、人の気分を害するだけだわ」
「じゃあ何にイラついたの?
旅行に行きたかったの?キレイに拭いてもらいたかったの?」
「なによ!拷問みたいに」
「だってさ、イラつくってことは何か自分の気に障ることがあるからでしょ?
俺は旅行嫌いだから連れていかれなくて良かったって思うし
キレイに拭かれるのも苦手だからさ
拭いもらわなくて良かったって思うんだよ。
そうすると
ピースンがたとえ俺に自慢とやらをしてきたとしても
ちっともイラつくことないんだよ。
逆に本当にご苦労様でした。ってねぎらうよ」
「あなたって変わってるわね」
「失礼だな。
要は人によって受け取り方が違うってことよ。
だからキミに旅行に行きたかったのか聞いたんだよ」
「うーん。。。そりゃあ行けるなら行きたかったわよ。
もちろんわたしもキレイに拭いてもらいたかったし。。。
でもなんでそんなにイラついたんだろ…
なんかもっと違う理由がある気がする・・・
・・・・・・・・・・。