この世界は、それでもあきらめない人で溢れてる。

人生なんて、
思い通りにいかないことばかりだ。

目の前のことには追われ、
たいていの挑戦は失敗に終わり、
よかれと思ってやったことさえ、裏目に出たりする。

時々思うんだ。
それでも、前を向けというのかと。

がんばって、がんばって、がんばって、
それでも前に進まなくて、
自分の限界を感じて、
どうしようもなくて。

明日も頑張ろうと、明日も頑張るけど、
それでもうまくいかなくて。

もうすべてやりつくした。

そう思った時は、一回手放せばいい。
思いっきり、休めばいい。寝ればいい。

そうやって、
無気力に過ごしていると気付くことがあるんだ。

がんばらなくても、時間は過ぎていく。
冬は勝手に終わり、春は勝手にやってくる。
自然に身を任せるのも、時には必要なのだと。

無気力に散歩していると気付くことがあるんだ。

夜中に素振りをする野球少年。
仕事帰りにカフェで勉強する会社員。
素通りされても、歌い続ける路上シンガー。
いつでも、挨拶してくれる掃除のおばちゃん。
目に映る景色を、描き続ける名もなき絵描き。

この世界は、それでもあきらめない人で溢れてる。

今過ごす、この瞬間が、
一粒一粒の、かけがえのないこの瞬間が、
手からこぼれ落ちないように。

誰かが、誰かを、勇気づけてる。

ぼちぼちゆっくり進めばいい。
また疲れたら、休めばいい。