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介護施設側から見た透析クリニックのお話し
1.介護施設側の「透析」イメージとは?
(1)(様々な面で)管理が大変
大体の介護施設さんが、新規入居の問い合わせで「透析」というワードを聞くと「食事(栄養)、シャント、血糖測定、その他の医療依存度(合併症)、生活サイクル」の管理が大変、と思われています。
なぜ、このようなイメージかというと(だいぶ諸説ありますが💦)、介護施設側での「慢性腎不全」、「糖尿病」のイメージが元々そういうイメージだから、後述しますが、生活サイクル面でいうと通院手段の問題もあり、均一なケアが必要な介護施設にとっては、個別の対応がし難いという認識なんだと思います。
(2)施設に専門の医療職が少ない
最近はそうでもないのかな、と思いますが、僕が働いてきた介護施設もそうですが、嘱託医や看護師さんに透析の経験がない方が多く、入居の検討をする時でも(1)のイメージから、「もし何かあっても責任取れませんよ!」と強く言われてしまい、入居をお断りすることもあります。
医療職じゃない僕たちからしても、「餅は餅屋」なので、あまり強く反発したりはしないです。
そもそも、介護施設の医療は日常の健康管理が目的なので、やはり「内科」メインの医療職が従事していることが多いですので、どうしても専門知識を持った人が集まりにくい、という事情もあります。
(3)送迎問題
通院透析のためには、もちろん通院するための移動手段の確保が必要です。
当然自力で通院することが困難な介護施設の入居者さんは、通院先への「送迎」がマストです。
送迎一つとっても、細かいことを含めると、クリニック側もそうですが、介護施設側は入居者さんが送迎車に乗車してもらうまでに様々な準備、調整が必要になります。
まずは「送迎時間」、介護施設に入居している方は午前中の透析を希望します。これは、介護施設としては、昼からのイベント(嘱託医の往診等、レクリエーション、ナイトケアなど)の方が多いので、午後に抜けられてしまうと業務にならないからです、そのため、午前中の透析を希望するわけですが、安易に通院先から送迎しますよ、と言われても入居者さんの待機する時間と場所をきちんと決めておかないと、入居者さんが認知症である場合には一人で待たせておけない、朝食を食べ終わる時間が読みにくい、そもそも包括ケアの施設では、入居者さんを「あえて一人にする」ということができないなどの問題が生じるので、細かな打ち合わせが必要になります。
(4)食事の問題
これは、僕が透析クリニックで働かせてもらうようになってから一番驚いている部分ですが、透析クリニックってお昼ご飯(弁当)食べさせてくれるんですね!
当院では、近所のお弁当屋さんに頼んで毎日届けてくれます。
透析治療は午前中いっぱい時間を使ってしまうので、終わってから食事の支度となると中々大変ですし、介護施設に入居されている方だと、施設の食事の時間が決まっていることもあり、施設に戻ってからの食事となると、これまた施設側もその段取りが大変なので、食事が食べられるというのは単純にありがたいと思います。
しかし、特に介護施設に入居されている患者さんだと、人によっては食事の形状も変えなければならない人もいます。当院では普通のお弁当を出していて、特に介護職などの対応はしていません。
今後、介護施設に入居されている方の受け入れや、今後食事形態の変更が必要となった方がいたときに今まで通りの食事提供に工夫が必要になってくるのかなと思っています。
また、これは別の記事でも書こうと思っていますが、介護施設側はやはり介護食の提供をクリニック側がすることで、介護施設としてもかなりの負担軽減となるというお話を聞きました。
これから、当院だけでなく、様々な医療機関の患者の高齢化が加速しますので、食事提供上の課題かと思います。
2.介護施設との連携をする上で大事だと感じること
(1)透析治療が必要な患者へのマイナスイメージを変えていく
これまで、介護施設側が透析患者の受け入れに対するイメージ(偏見とも言えますが、、、😅)についてお話ししました.
僕も実際に介護施設へ広報活動の一環でご訪問し、施設の担当者様より様々な話を聞く中でまずは、透析患者に対する介護施設側が持っているイメージを変えていくことが大事だと思っています。
実際に自分は様々な形態の介護施設で施設長として働いてきましたが、当時に聞いていた透析治療を受けている方のイメージと、現在、実際に接している患者さんのイメージは180度違うと言っても良いくらい変わりました。
どうイメージが変わったかというと、「あれ?普通のご飯食べてるな、、、」、「なんなら、介護施設の入居者さんより活動的やな」、「透析中のリハもあるんや(これはまた別の記事でご紹介します笑)」って感じです。
もちろん当院に通われている方全員が、というわけではありませんが、大体の方がそこまで人の手は借りなくても自宅で生活ができるレベルにある人が多い様に思います。
こういったイメージって、やはり施設にいたままだと中々入ってこないことなので、このあたりのイメージを変えるためには、やはり僕たちが介護施設さんにご訪問し、当院の特色のご説明や、介護施設さんと合同で勉強会の開催をするなどを通して透析患者さんへのイメージを変えることが必要だと感じています。
(2)介護施設さんにとって「便利な透析クリニック」であること
以上のことから、例え透析クリニックであったとしても、患者さんの生活やその特性についての把握と、介護施設側の「困っていること」に柔軟に対応することが求められていると感じており、そのためにはまず「介護施設さんから気軽に相談してもらえるクリニック」を目指さなくてはならないと思っています。
「透析患者さんってどうなの?」、「送迎はしてくれるの?」、「介護施設に入居中に透析になったらどうしたらいいの?」、「透析患者さんの食事ってどうしたらいいの?」といったことについて、「とにかくまずはくすのきクリニックに相談してください」と介護施設さんにとっての「便利な透析クリニック」であることを今後アピールできたらと思っています
まずは介護施設さん、僕と仲良くしてください笑
PS 写真は当院で毎月第3日曜日に開催している「くすのきマルシェ」で「ミニ四駆大会」を開催した時の様子です!
9月も開催するので気になる方は当院HPをご覧ください‼️
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岸辺くすのき透析クリニック
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