日記 知らない街、一人
仕事の出張で静岡県の清水に来ている。久しぶりのビジホで過ごす夜にワクワクしているけれど、朝から急いでいて本もイヤホンも忘れてしまったので、道路を行き交うトラックを眺めながらnoteを書いてみる。
最小限の音量で羊文学の新譜を聴く。トラックの動きを指でなぞって、それから少しだけ窓を開けて夜の空気を吸った。太平洋に面するこの街は夜の寒さもどこか穏やかな感じ。僕の住む長野県から清水までは中部横断自動車道で2時間足らずだけど、全く風土の違う地域に来たと実感する。こういう知らない街の香りは、すごく好きだ。
長らく、まともな一人旅をしていなかったような気がする。去年は数年付き合った彼女と別れたせいかどこか寂しくて、旅に出る時も常に誰かを連れ添っていた。世界の誰も僕を気にしていないと感じながら、道も分からない街で過ごすこの感じ、やっぱり久しぶりだ。今年は一人で東北でも行ってみようかな。
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行きの車で久しぶりにマイヘアを聴いた。高校時代にめちゃくちゃ流行ったけど、僕は真赤とか恋人ができたんだあたりのラブソング(失恋?)よりも「戦争を知らない大人たち」だとか「革命はいつも」みたいな思春期真っ盛りソングが好きだったな。コーヒーのブラックを初めて飲んだのも革命はいつもに出てきたからだった。
今では地方都市に行く度に、その街に馴染む喫茶店で一杯のブラックコーヒーを飲むのが恒例になっている。今回も清水駅前にある商店街の「パーラー ボンヌール」でホットケーキと一緒に楽しんだ。
レトロな雰囲気の店内で感傷に浸る自分、やっぱりあの頃の僕とそんなに変わらない気がするな。