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巻き込まれないで

年末、会社の先輩たちとカラオケで忘年会を開いた。うちの職場は比較的僕を自由に放っといてくれるので、誰も聴いたことがないであろうゴイステやらtetoを好き勝手歌った。他の先輩方も椎名林檎だとかミスチルだとかゼロ年代のアニソンを歌っていて、ジャンルがぐるぐる回っていく感じがとても心地よかった。

カラオケに入ってから3時間が経った頃、普段あまり接点のない先輩のお姉さんが「じゃんもんくん、ずとまよのサターン、歌ってほしいな」とリクエストをくれた。叫んで暴れるだけの僕には静かすぎる選曲に不意をつかれたけれど、なんだかとても嬉しかったのですぐに入れた。歌詞もうろ覚えで、歌うのにかなり工夫の要る曲だったけれど、なんとか自分なりのアレンジを加えて歌うことができた(原曲キーのままでは形にできそうにもなかったので)。僕が歌い終えたあと、先輩は何度も頷きながら静かに拍手をしてくれた。幸せな夜だった。

この年末年始は本当に色々なことがあった。SNSを見るのもしんどくて、溜まっていた積読の短編集を読んだり、悪友と温泉へ遊びに行ったりしながらなるべく平凡に過ごした。新年最初のnoteにありきたりのない嬉しかった出来事を書いたのも、波乱の年明けに巻き込もうとする力から抜け出そうと思ったからなのかもしれない。まあ案外、先輩のまっすぐな瞳がとても綺麗だったぐらいの不純な理由かもしれないけどね。遅ばせながら、今年もよろしくお願いします。

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