母親の市販薬濫用の話(改訂版)
以前に、金パブで興奮して異常行動を起こしている私の母親について書きました。
その後の顛末と現状です。
幸い現在は、明らかな異常行動はなくなしました。金パブもやめています。
ほぼ、元の母親の姿に戻っています。
市販薬として、名指して責めるつもりはありませんが、
服用薬が明確なため「金パブ」と表記させていただきます。
少し見にくいですが、ガントチャートを作成しましたので、時系列で眺めてみてください。自分の記憶も曖昧な部分もあるので正確性には欠ける部分はあるとおもいますがご容赦ください。
認知症かと思われる症状がで始めた時に、母親は、毎晩ゾルピデムを服用していたので、それによるせん妄なのかとも一時期思っておりましたので、2022年春ごろから、夏頃にかけて、せん妄を起こすような要因を時間をかけて取り除いてみましたが、一向に改善がありませんでした。(ゾルピデムはやめたがらないので5mgで継続しつつ)
しかし、起床時の足のふらつきなどがあると何度も訴え、それは何か、誰かにやられていると被害妄想的になっていました。
それはゾルピデムによる副作用と思われます。
そして、2022年10月頃、市販の風邪薬(通称:金パブ)を常用(濫用)していたことが発覚しました。 毎日2〜3回は飲んでいたようです。最初は鼻水などの症状を止めるために飲んでいたようです。それがやめられなくなり毎日飲むようになったと思われます。また飲むと夜はよく眠れたのでしょう。
そして、さらに症状が現れます。
意味のわからない幻聴幻覚。ある時、金パブの空箱を発見したので同居している家族に詳しく見てもらい数の減りを追ってみた。
1日2包くらい減っていっていることに間違いないことを確かめたので、
薬を隠してみたら、突然に家を飛び出して出て行ってしまった。
それが2023年の1月1日の朝の出来事。
家族総出で探して近所のスーパーで発見。その日は元日で、近所のドラッグストアや薬局なども全て閉まっていたが、どうやら金パブを買おうとしたらしい。落ち着かせるために、私らが隠した金パブを渡して、もう、風邪の時以外は飲まないようにと諭したが、その後しばらくまだ隠れて飲んでいた様子で、興奮状態がON OFFしているのが明らかに分かった。
2023年2月ごろ。
嫌がる母を近くにある老年精神科を受診させる。
各種の検査の結果、脳の器質的異常や認知症の疑いは排除された。
少量のリスペリドンを処方されたが、飲んだり飲まなかったりと服薬はうまく行っていなかった。
ゾルピデムもゾピクロンに変更してもらった。
2023年5月頃。こまめに実家に帰り、その度に説教、説明して、精神科の処方をきちんと飲むように説得、そして徐々に金パブは減らしたらしい。目つきが元に戻ったのが分かったし、おかしなことをあまり言わなくなった。 元からの気質や認知症の傾向もある程度あると思うが、ゾルピデムによる副作用と、これに市販の風邪薬による精神障害が合わさっていたと思う。
ゾルピデムの嫌な副作用を消すために、金パブを飲んでいた可能性もある。
当初は、明け方や、起床時におかしな夢を見たり、現実と夢との違いがわからなくなっているようで、夢遊病のような感じだと思う。神のお告げがあったとか訳のわからないことを言い出した。これは多分ゾルピデムによるものとおもわれる。その症状が明け方から朝に出て、金パブを飲むと収まるようで、朝にも金パブを飲むようになったと見られる。それらの相互作用が出ていたのかもしれない。
さらに、異常な「興奮」も出現していた。
興奮して暴言を吐いたりしたあと、ぶっ倒れるように眠ってしまう。20分くらい意識を無くしたように眠り、すぐに普通の状態に戻るということを繰り返したようである。これは主に昼間から夕方に起きていた。金パブが切れるのであろう。
みなさん、本当に市販薬には気を付けてください。一部の風邪薬にはハイテンションになる成分と、鎮静成分、それにカフェインが混じり合い、高齢者が連用するとその異常行動により、認知症と間違われてしまい、その後の人生を変えることになってしまうかもしれません。高齢者は薬の代謝の問題だけでなく、その行動特性から精神系の副作用が見つかりにくいと思います。特に多数の成分がミックスになっている市販薬は尚更です。
薬剤師としても自分の親がそんなことになっていたのは恥ずかしいですが、大切なことなで共有しておきたいと思います。
認知症の検査をしても異常はないし、脳にも問題なかった。ただ、風邪薬を隠れて飲むようになったと推測される時期から、ひどく興奮するようになった。興奮後しばらくすると鎮静化する。それを一日に何度か繰り返していた。興奮時には暴言を吐いたりするだけでなく、一時的に金銭感覚が麻痺したりしていた。
飲んだ後は別人格が現れているようで完全に老人性の精神病だと思い込んでいたがどう見ても周期が違うような気がして、何かあると思っていたが、まさか市販薬を濫用していたとは。
完全な結論づけはまだ出来ないですが、2024年10月現在、ほぼ正常に戻っています。老年精神科でのリスペリドンもゾピクロンも今は飲んでいない状況です。
起床時に足のもつれや脱力感を訴えていてが、気づけはその訴えは消えていた。
これはゾルピデムからゾピクロンに変更したためではないかと思います。
認知症の検査などで受診させた精神科でも、父親が相談したところ、「風邪薬は興奮するから飲ませるな」と言われたらしい。他にも市販薬でこのようになっている老人はどうやら少なくないらしい。
2024年10月現在、普通にLINEでやりとりもできるし、旅行にもいける。家事などは全く問題ない。
素質としての性格や、老化、ある程度の認知症は仕方がないが、
一時期は持ち物の置き場を一瞬で忘れたり、
お前誰だ!と家族に叫んだりすることもあった。
それが、いまでは消えている。
コデインやエフェドリンの代謝や感受性って人それぞれだと思うけども、自分も過去に、鼻水と頭痛があるときに金の風邪薬を飲んで仕事をしていたら、なんか気持ちが良くなったことがある。その時に、「これは!?」と思って、二度と飲むのやめたけども、URMみたいな個人差があるのかなと思った。
市販薬は怖い。
うちのおばあちゃん、ボケちゃったとか、急におかしくなったとか、急激な変化が起こった場合、まずはボケを疑うよりも服用している市販薬も確認してください。
おかしなことがあれば近くの「かかりつけ」薬局に相談を。
かかりつけ薬局がなければ、かかりつけ薬局を持ちましょう。
登録販売者のみなさんにもお願いです。
高齢者に市販の風邪薬を求められた場合、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリン、カフェインが一緒に含まれるような薬剤は避けてあげてください。
抜け出せなくなり、場合によっては認知症扱いされることで、本人のその後の人生が変わってしまう可能性があります。
最前線に立っている、登録販売者の皆様、
どうぞ、よろしくお願いします。