ChatGPTでキャラクターの関係性を強調させることはできるのか?
小説を書く時同様のパワーは必要
キャラクターの関係性を強調させるためのプロットをChatGPTで作りたいと考える時、その労力は普通に小説のキャラクター設定を考えるのと同じだけの労力が必要となります。
それは、プロンプトに小説を書くのと同じく基本的なキャラ設定が必要となるからです。
逆に言うとキャラクター設定が得意なのだけど、設定だけ出来て小説を書くことができないという人は、ChatGPTが有用に働くことになります。
これは、設定魔と呼ばれる人にとっては自分のキャラクターを文章化する夢のような第一歩かもしれません。自分が作ったこのキャラクターとこのキャラクターが活躍する物語を作りたいという夢が実現するわけです。
逆に、実際に仕事をするのと変わりないじゃんと嘆く人もいるでしょう。
実際のところ自分で考えるのと同様の結果か?
結論から言うと、自分の思考と同様以上の成果を出すこともできます。
自分が想定しているキャラクター設定で、自分が想定外の内容を作り出す事ができるからです。この設定とこの結末までの主要な流れで考え出せる物語のアイデアを複数パターン書き出してもらうことも可能なわけです。
やる気になれば東京から大阪まで行くと決定したら、そのあらゆるルートを書き出してもらえることになります。
飛行機? ヘリコプター? 新幹線? 在来線? 高速道路(自動車)? 一般道(自動車)? 一般道(自転車) 一般道(徒歩)
それだけの労力を払うことを考えたら普通は全部のプロット構築なんかやらずにどれかひとつの面白そうなネタが出そうなルートを選ぶわけです。しかし、AIには他のルートをやってもらうことが可能なわけです。その結果、短時間で複数ルートの物語を検証できるわけです。自分が選んでいたルートであっても、想像していた物語以外に面白いエピソードが見つかり、それを膨らませてより面白い作業にはいることができます。
キャラクターの関係性を強調させるためには?
最近の小説では希薄になってきているキャラクターの関係性がしっかりした小説のプロットを作りたいと考えた時、書き慣れていない人はそれが出来ずに悩んだりするでしょう。
なろう系の小説では、中々人間の関係性に踏み込んだ作品がありませんので、そこで育ってしまうと難しいものがあるのもわかります。
ということで、ChatGPT-4でできる限りキャラクターの関係性を強調させるプロットを作成できないか? ということで、プロンプトを考えてみましたがこれが中々難しい。
少数のキャラなら、まだなんとかなりますが、5人以上のキャラクターになってくると、その関係性をわざわざ文章でまとめるのが面倒臭くなり、だったら自分でやるわ! となってしまうのです。キャラクターダイナミクスを考えていくだけでギブアップしてしまいました。
キャラクターダイナミクスとは?
日本の小説系の創作論ではあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、現在の映像系ではかなり使われている言葉です。
キャラクターダイナミクスとは、物語の中でキャラクター間の関係がどのように進行し、変化し、発展するかを指します。これはキャラクターがどのように相互作用するか、情報を交換するか、お互いに影響を与えるかに関連しています。キャラクターダイナミクスは物語に深みを追加し、リアルなキャラクターを作る上で重要な要素です。
以下に、具体的なキャラクターダイナミクスの例をいくつか挙げてみましょう。
◆敵対的なダイナミクス
二人以上のキャラクターが敵対的な関係にある場合、彼らの間には対立や衝突が生じます。これは物語にドラマとテンションを加え、キャラクターの価値観や目標を明確にします。
◆友情のダイナミクス
キャラクター間の友情は、互いに助け合い、学び合い、時には対立する場面を生み出します。友情のダイナミクスは、キャラクターの個性を強調し、物語に温かさとユーモアを加えることができます。
◆恋愛的なダイナミクス
恋愛関係はキャラクター間の強い絆を示し、物語にロマンスとパッションを追加します。このダイナミクスはキャラクターの感情を深く探る良い機会でもあります。
◆家族的なダイナミクス
家族間の関係は、愛、忠誠、対立、傷つけ合いなど、様々な感情を探ることができます。家族のダイナミクスは物語に深みと複雑さを加えます。
◆導師と弟子のダイナミクス
導師(メンター)と弟子の関係は、知識や技能の伝達、キャラクターの成長と発展を描くのに有用です。このダイナミクスは、尊敬、敬意、学習の困難を物語に追加します。
こうして挙げていくと、なんだよ、そんなの普通に考えているよ。と言われる方がほとんどです。ただ重要な部分は、その関係性を表現する言葉が存在するようになったということです。
これらのダイナミクスは、それぞれ物語の異なる側面を強調します。
適切なキャラクターダイナミクスを選び、それを発展させることで、物語はより引きつけられるものになります。
キャラクターダイナミクスはキャラクターの発展を促進し、物語全体を進行させるためのエネルギーを供給します。また、それらは物語のテーマを強調し、読者に深い感情的な経験を提供します。
しかし、キャラクターダイナミクスを考える際には、それが物語全体の中で一貫性を持つようにすることが重要です。キャラクターの行動や選択が一貫していなければ、それらのダイナミクスは信頼性を失います。
また、キャラクター間の関係は進行とともに変化し、成長するべきです。これには、衝突の解決、新たな問題の発見、個々のキャラクターの成長など、さまざまな要素が関与します。このプロセスを通じて、キャラクターダイナミクスは物語全体に生命を吹き込むことができます。
例えば、初めは敵対的だったキャラクターが経験を共有することで理解を深め、最終的には互いを尊重するようになるといった展開は、強力なキャラクターダイナミクスの一例です。また、弟子が最終的にはメンターを超えるといった展開も、成長と変化の物語を強調します。
これらのポイントを考えながらキャラクターダイナミクスを作り出すと、キャラクターたちは生き生きとし、物語は読者を引きつける力を持つことになります。
ここまで説明すれば、これをわざわざプロンプトにするのが一苦労と言ったのもお分かりいただけるでしょうか? 冒頭の言葉にあるように、そんな面倒なことをするくらいなら、自分でまとめて書いた方が楽だわ! となります。
こうした実験も、プロット構築をするためには必要なものなので、まぁ無駄だと分かっていても検証のために今後も続けていこうと思います。