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夜明けのすべて【読書感想】

こんにちは.9436です.一気に雪解けが進んで,車も走りやすくなってきました.このまま春が訪れて欲しいものです.

今回は瀬尾まいこさんの「夜明けのすべて」の読書感想になります.
基本的に読書感想では,ネタバレ等はせずに行きたいと思っています.興味を持ってくれたら嬉しいです.


読もうと思ったきっかけ

僕はそもそも瀬尾まいこさんが大好きです.「そして、バトンは渡された」で虜になりました.本屋大賞も受賞しているこの作品は優子の心理描写が秀逸なのです.親がコロコロ変わったとしても,現状に悲観する事なくポジティブに生きる優子に尊敬の念を感じました.僕が優子なら家出してグレてそう.

他にも,「戸村飯店 青春100連発」も読みました.

瀬尾まいこさんの特徴として,場面変換があった際にも不自然を感じる事なく入り込めるところがすごいと思いました.「戸村飯店」は兄と弟の物語が交互に描かれているのですが,章ごとに綺麗に一旦物語がセーブされ,次の場面に入り込みやすいと思いました.「そして、バトンは渡された」でも過去と現在が滑らかに場面変換されます.その辺が心理描写が鮮やかになる原因の一つではないかと思っています.

今回,「夜明けの全て」を読もうと思ったのも瀬尾まいこさんの本だからです.本屋大賞受賞後初めての作品なので楽しみにしていました.本小説も主人公が二人いるので場面描写がコロコロ切り替わったりするのかなと今から楽しみです.

読書感想

読み終わった第1の感想として,読んで良かったと思う作品でした.藤沢さんはPMS(月経前症候群)で,山添くんはパニック障害でそれぞれ苦しみ,社会から切り離されてしまったように感じている二人が主人公です.二人が栗田金属と言う企業で働いているところから物語はスタートします.

ネタバレは避けたいので,物語の説明はここまでで避けますが,このnoteを書きながら思ったことが支え合うって大事なんだなと感じました.

二人はそれぞれ病気で苦しみますが,片方が片方をそれぞれ支え合い病気と向き合っていく.書くだけなら簡単ですが,本当に病気と向かい合っている人はとても大変だと思います.

本当に瀬尾まいこさんは主人公が複数いても綺麗な物語を書くなぁと感心してしまいました.場面の切り替えが滑らかで素晴らしいです.

お互いがお節介な性格も相まって,二人は片方の病気と向き合いつつ自分との病気との向き合い方もかなり考えるようになっています.

「お節介」なので利益はありません.しかし,自分が患っているからこそ他人にも優しくでき,また自分との向き合いにもなるという相乗効果がどんどん生まれていました.

後半になるにつれて,病気の描写よりもポジティブな描写が増えていき快方に物語が進んでいくのが読んでいて心地良かったです.

この本から学んだことは,支えることは自分の成長にも繋がると言うことです.他の人が困っているときに,僕は山添くんのように藤沢さんを助けることができるか不安です.「自分が自分が」になってしまって支えることをやめてしまうのではないかと思ってしまいます.

しかし,他人を支えると言うことは自分の時間を使って成長していると言う気持ちに置き換えれば人のことを支えたい,そう思うようになれると思います.

「夜明けのすべて」とても面白かったです.

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