パーフェクト・ハエたたき (超短編小説)
男は、とんでもなくうんざりしていた。
昨日からずっと部屋の中でハエが飛んでいるのだ。寝ているときも、ご飯を食べているときも、本を読んでいるときも、どんなときも。
なにかこの状況を打破するものはないのか。男は一縷の望みをかけて、電車に乗り、最寄り駅から数駅先にあるホームセンターへと赴いた。
駅から数分歩くと、大きめのホームセンターに辿り着いた。売り場面積が広く、何がどこにあるのかよく分からないため店員に話しかける。
「昨日から一匹のハエが部屋の中を華麗に舞っているのです