計算された不完全さが楽しい!!ロードスターを一日レンタルしてみて
熱狂的なファンがいるクルマをレンタル
先日、ずっと気になっていたMAZDAロードスターを1日レンタルしてきました。
実用性より趣味性や走る楽しさを重視するクルマ好きに愛されるロードスターの魅力はどういったところなのか、百聞は一見にしかずということで体感してみることに。
お借りしたお店は京浜急行大鳥居駅から徒歩10分足らずの場所にあるスカイレンタカー羽田空港店さん。都内にあるレンタカー屋さんにしては珍しく、クルマ好きに刺さるような趣味性の高い車種もレンタルすることができます。
今回のロードスターはS Special PackageのATモデル。
AT限定解除をしたばかりなのでMTモデルに乗りたかったのですが、都内のお店でMTモデルをレンタルできるお店はありませんでした。
それでも、ロードスターの特徴である目線の低さや車体感覚が僕の好みに合うかどうかを確かめるにはATモデルでも十分かも!と考えてレンタル。
結果、最高に楽しかったです。
まず、一番気になっていた車高の低さ
非日常感を味わえるとスポーツカー愛好家に好まれる低い車高ですが、一方で見晴らしが悪かったり周りの車が相対的に背が高いことで感じる威圧感などネガティブな面もあることを目にします。シンプルに『好み』によるものと思いますが、こうした特徴が自分に合うのかどうか気になっていました。
走り出して一瞬で分かったのは『好みだー!』ということ。
路面と目線が近いことでスピード感(実際のスピードとは異なる)を強く味わうことができることに加え、周りの車からの威圧感というのはほぼ感じませんでした。それにしてもこの目線の低さはまさに非日常で、20代の頃に乗ってきたバイクでは感じることのできないクルマ特有の面白さですね。
車高が低いことで乗り降りに難があるのは間違いないものの、運転している時間と比べ一瞬のことなので気になりません。唯一、ドアを大きく開かないといけないので狭い車庫では運用しにくい点がネックかもしれません。
スムーズ過ぎないエンジンの楽しさ
つくづく現代の技術に体が甘やかされていることを実感しました。
普段乗っているダイハツ・タフトのCVTは非常にスムーズで、多少のラグはあるものの滑らかにエンジンの回転数が上がっていくため『変速していること』を全く意識しません。一方でロードスターのATはしっかりと「今、変速しているな」と感じられるもので、出足はもっさり加速していきます。
しかし慣れてくるとその変速具合が味わいに変化してくるというか、より回転数を意識して中低速の加速を味わうようになりました。タコメーターをチラ見するようになり、これはMTモデルにある変速の楽しみを(操作は伴わなくても)意識の中で味わえるような設計になっているような気がしました。
決してよくない乗り心地がポジティブに作用
乗り心地は路面のデコボコがしっかり伝わってきます。タフトが上手くいなしてくれるような段差もロードスターならゴツッと車内に音が響くレベルで体を揺さぶる。
これが単純に「乗り心地の悪いクルマ」と評価して終わるのかというとそうではなく、前述の非日常的な目線の低さと相まって遊園地のゴーカートに乗っているような感覚になるのです。思わず笑みがこぼれてしまうレベルで、決してよくない乗り心地がポジティブに作用する稀有な例に驚きです。
なお、ゴーカート的な楽しみはドライバーの特権で、同乗者には不評でした笑
車体感覚と操作感はすごく等身大。
車高はともかく全長と全幅は軽自動車であるタフトより大きく、特にデザイン上の大きな特徴である運転席からボンネット先までの長さには慣れるまでは時間がかかると思っていたのですが、不思議なことに全く違和感なく運転することができました。
等身大のサイズ感で、軽自動車からのステップアップでも全然問題ないですね。見切りもとてもよかったです。
ハンドルはなかなか重め。アームレストが広く快適なのですが両手でハンドルを握る機会が多かったです。特に右左折時はグッと回さないと回らないのですが、逆に言えば真っ直ぐ走るときは心強いレベルで安定してくれます。
オープンカーは「ニッチな楽しみ」なのか
レンタルした日は台風一過でかなり暑い一日でしたが、夕方の気温が下がった頃合いを見計らってオープンを試してみました。そもそもオープンにすること自体に大きな魅力を感じていたわけではなく、どちらかというと小っ恥ずかしさを感じていたのですが、実際にやってみると最高ですねコレは・・・。
お台場の工業地帯で落ちかけた夕陽が眩しいシチュエーションでのオープンは笑みを抑えるのが難しいくらい感動的な瞬間でした。簡単な操作で開けたり閉めたりできることが大きな魅力ですね。
これは実際やってみたら多くの方が感動する体験になるのではないでしょうか。
まとめ
ロードスターに多くのファンがいることにしっかりと納得した一日でした。
本来ネガティブに思える点がことごとく魅力になっている。これはマニアが言うところの「ダメさが可愛い」といった類のものではなく『計算された不完全さ』と言える気がします。
よく見かける「バイクに近い」と言う表現はなるほど的確で、快適な移動手段がいくらでもある時代に不便さとそれをカバーする楽しさに溢れるバイクはまさに趣味の道具の象徴。ロードスターがそうしたニュアンスの喜びを味わえるクルマであることは間違いないと確信しました。
本気で心の底から欲しい!と思えるクルマでした。次はMTモデルに乗ってみて、自宅の車庫に収まるかどうかも試してみようと思います。