新しい『朝食』の場所
「イオンモール、朝から高齢者が来ているよ。イートスぺースでご飯食べてる。孤食って案外高齢者の贅沢なんじゃない」と娘。
「すき家と山田うどんだけじゃ飽きたし、行ってみる!」と飛びついた私。
20分ほど裏道を歩いてイオンへ。バスは1時間に1本ぐらい。以前は森と林があって狸が出てきた鄙の地。
山茶花の花を見ながら、魔法瓶の紅茶を飲みながら歩く。
山茶花の赤美しき寒い朝(これは俳句です!(^^)!)
朝7時半。早朝専用の入り口から中へ。静まり返った広大な店内。スーパー部門だけが開いている。毎日のように買い物に来ていて、勝手知っている娘に付いてゆく。
あれこれ楽しく迷いながらお弁当を買いレジへ。
こんな早朝、レジ係の女性が働いている。コロナ禍のなか、働いてくれる人がいるから、私は外食ができる。感謝の気持ちでいっぱい。どんなに着飾った女性より、働いている女性は美しい。食堂、スーパー、病院など、多くの場で働く人がいて世の中は機能している。
お弁当をレンジでチン。一人一人区切ってあるテーブルで、娘と横並びで食事。ベトナムの話を聞く。ベトナムでは現在コロナ感染者ほぼゼロとか。
イートスぺースには徐々に人が。皆、静かにパソコンを打ったり、新聞を広げたり。朝食は家族全員ですべし、と言う人もいるが、それぞれの楽しみ方があっていい。人それぞれの事情や生き方があるのだから。
スーパーの弁当もよし冬の朝(俳句です(^^)!)
食事が終わるとパックを分別してゴミ箱へ。
すき家ではモーニングセット「牛丼、トン汁、漬物、刻みショウガ」で税込400円ぐらい。可愛い愛想の良い女性店員さんがにこやかに運んで来てくれる。後片付けもしなくていい。
やはり、モーニングセットはお得!
でも、スペースの広さ、トイレの綺麗さ、ついでに食材を買える便利さを考えると、この場所での朝食もなかなかいい。
まだ開いていないシュークリーム屋さんの中、もうスタッフ一人が動き回っている。このご時世、家の中にいられる人は恵まれているのだと思う。
外食することによって、私の払うわずかなお金も社会を回している。たまにはもっと高い物食べるべきかな……。
娘は「もう少しここで勉強するから」「じゃ先に帰るね」
来た時はとても遠く感じたが、帰りはあっというまだった。
脚力が強くなったと思う。退院した当時は、恐々バスに乗って、必死で『乗り放題半年バス券2万2千円』を買いに行った。本人じゃないと、めちゃめちゃ面倒な手続きが必要になるから。
他にも、本人じゃないと面倒なこと限りない手続きなどあり、必死ですべてをこなした。
あのころはバスの乗り降りも恐々だった……。
娘のサポートがあればこそだった。
『万事塞翁が馬』という諺もある。実際、コロナのおかげで娘と二人だけの『時』を持てた。コロナのおかげでカルチャースクールを半年以上休めた。
すべては私にとって良い方向に向かっているような気がする。癌でさえも、もしかして私の「吉兆」になるかも知れない。そう思いたい。
朝食の余韻を楽しみながら家に着くと、和子とシロがすごい表情で門の前に立っていた(座っていたというべきか)!
ご飯が欲しいの?家を出る前にあげたでしょう。ノラなんだから、もっと遠慮してよ。
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